◇国内メジャー◇BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 最終日(9日)◇宍戸ヒルズCC西コース(茨城)◇7430yd(パー71)◇曇り(観衆8041人)
初日の18番、バンカーからの2打目が“ダフる”ミスショットでボギーを喫した。普段なら、ここで気力がポキッと折れそうな場面。スコアチェックを終えて「練習行く」と言った岩田寛に、新岡隆三郎キャディは驚いた。今週の岩田寛は、ちょっと違うぞ。
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「調子が良いと逆に不安。調子が悪いとイライラするし、普通が良いです」と、その感受性はユニークだ。自分の性格を聞かれると、「変わってますよね。めちゃくちゃ気持ち悪いと思います」と率直な言葉選びが面白い。
クラブ選びも個性的だ。「調子が良かったら変えないし、悪くなって変えるのもイヤ。そうなると、ずっと使います」と現在のエースパターは20代のころから使う一本。PWもノーメッキ加工ができる物を好んで、1本だけ異なるメーカーの物を入れている。
そのこだわりの強さから、簡単に“合格点”を付けられないのが難しい。年下の選手ばかりになったツアーで、飛距離と柔軟性を求めたスイングを追求しながら戦っているが、試合でやろうとしていることができないと不安と不満が募っていく。「やりたい課題ができるか不安だった」と迎えた最終日は、“できない”理由が明確だから強かった。
「今週は、調子が悪かった原因が分かった気がする。“これができれば良い球が出る”っていうのも分かった」。詳細を聞いても「それは、自分が分かっていればいいので」とはぐらかしたが、修正点が分かっているから調子の波にメンタルが左右されない。終盤でボギーをたたいても淡々とプレー。こだわり続けてきたことが、かみ合った感触が確かにあった。
43歳130日での優勝は、大会最年長記録を更新。「このフィールドにいるなら、年齢は関係ない」と年齢は言い訳にしたくない。ただ、以前ふとした時に聞いた「ベテランじゃ、ここのコースは勝てない」という言葉を覆せたことは、ちょっとうれしい。「今回優勝したので、何かの記事をみてビックリすると思います。そのころ僕は、韓国に飛んでいるんですが」(次週:ハナ銀行 インビテーショナル)と口元が緩んだ。(茨城県笠間市/谷口愛純)
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2024-06-10 05:06:35Z
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