5打差5位から出た渋野日向子(25=サントリー)は7バーディー、4ボギーと、ベストスコアとなる66で回り通算3アンダー207、首位と2打差の4位につけた。

しぶこスマイルが満開の1日だった。最終18番パー4。残り約250ヤードの第2打をピンそばにぴたりとつける。難なく沈めて、この日7個目のバーディーで第3Rを締めた。ギャラリーの声援に満面の笑みを浮かべた。66の好スコアは、4位に入った2020年全米女子オープン第2ラウンド(R)以来となった。

「7個バーディーがとれた。考えていなかったのでびっくり。一打一打、集中できて良かった」

渋野の日だった。2日目を終えてアンダーパーが4人のみの難コース。前半から3バーディーを奪って、スコアを1つ伸ばして折り返すと、11番でバーディーを重ねて、懸命にトップを追った。迎えた14番パー4。バーディーパットはカップの縁に止まった。不運なパーと思われた、その時、ボールはゆっくりとカップに吸い込まれた。その間10秒。「奇跡の10秒」に、しぶこスマイルを全開にして喜んだ。

「楽しみたいと思ったがラウンド中は吐きそうになる感情。でもそうなると思って練習していた。集中して深呼吸してやっていた」

前日の第2Rは3バーディー、3ボギーの70で回り、通算1オーバー141、首位と5打差の5位で決勝ラウンド(R)に進出。メジャーの全米女子オープンでの決勝R進出は4位に入った2020年以来4年ぶりとなり「ちょっと衝撃」と驚きを隠せなかった。

無理もない。今季は9戦中6戦で予選落ち。直近の出場大会も2戦連続予選落ちと苦闘していた。今大会前にドライバーとアイアンのシャフトを以前使用していた柔らかいタイプに変更。これが功を奏した。

運命の最終日。「うーん、この位置にいると勝ちたい気持ちが芽生える。悔いの残らないプレーをして、見ている人が楽しめるプレースタイルを心がけたい」。2019年8月の全英女子オープン以来、5年ぶりのメジャー優勝へ、しぶこが突き進む。

〇…この日も日本勢は上位に名を連ねた。3打差3位で出た笹生優花は、スコアを1つ伸ばし2アンダーで、首位と3打差の5位につけた。小祝さくらはパープレーで回り、トータル1オーバーで6位タイ、竹田麗央は2オーバーで8位タイ、山下美夢有は3オーバーで11位タイ、古江彩佳、岩井千怜は4オーバーで14位タイでそれぞれホールアウトした。

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