【デンバー(米コロラド州)18日(日本時間19日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、「勝率9%」からの奇跡的な大逆転劇に貢献した。ロッキーズ戦に「1番DH」で出場。第3打席で今季メジャー最長となる飛距離476フィート(約145メートル)の特大弾で4年連続の20号到達を決めた。第5打席では左前打を放ち、5打数2安打2打点で流れを引き寄せた。打席でバットを置き、立ち位置を安定させる新ルーティンを取り入れ、直近5試合で打率4割5分、3本塁打、5打点。一気に状態を上げ、本塁打数でリーグトップタイに浮上した。

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大谷は各打席で、地面にバットをそっと置いた。ホームベースと三塁線の延長線上に合わせ、軸足となる左足の立ち位置を確認。14日のロイヤルズ戦、第2打席から取り入れた新たなルーティンだ。ベイツ打撃コーチによれば「彼は打席で同じ位置に立ちたいと思っている。相手投手によって変えることもあるが、安定して立てるように」と、左足をセットする明確な意図があるという。

大谷が打撃で最も重視するのは「構え」。その前提として、立ち位置にズレが生じれば、相手投手の見え方も変わってくる。試合序盤のバッターボックスでははっきりと見える白線で目安を作りやすいが、徐々に消えていく。他の打者の踏み場で土が削られ、不安定になることもある。かつて大谷も「簡単なようで、同じように毎回、毎回、立っていくのも難しい」と語っていた。立ち位置の安定は、例年の課題でもあった。

相手の右腕と左腕に応じて、スタンスも変えている。構えでも数センチ、数ミリ単位のズレで勝負は決まる。新ルーティンを取り入れてからは打率4割7分4厘。左足のポジション安定は、絶好調の一因と言える。【MLB担当=斎藤庸裕】

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