【ナッシュビル(米テネシー州)7日(日本時間8日)=四竈衛、斎藤庸裕】エンゼルスからFAとなっている大谷翔平投手(29)が沈黙を続ける中、周囲の騒がしさがより一層、増してきた。4日間の日程で開催されたウインターミーティングがこの日、閉幕。大谷の去就で決着はつかなかった。移籍先候補とされるドジャースとブルージェイズの地域同士で舌戦が繰り広げられる一方、北米プロスポーツ史上で最高額の契約となることが予想される中で、6億ドル(約870億円)の契約額を手に入れそうな“ライバル”も出現した。

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大谷の未来に関する表立った動きは、ウインターミーティング最終日もなかった。会場のリゾートホテルも静けさが広がり、最大の目玉だった大谷の去就は決まらずに終わった。一方で、周囲の狂騒は依然として継続。5億ドル(約725億円)~6億ドル(約870億円)で北米スポーツ史上最高額の契約となると予想されるなか、とんでもない契約額を交わしたとみられるプロスポーツ選手が現れた。

今年4月のマスターズを制したプロゴルファー、ジョン・ラーム(スペイン)が、サウジアラビアの富豪が投資する「LIVゴルフ」に移籍するという。ESPNの報道によると、契約は3年以上で総額3億ドル(約435億円)超になるようだが、複数のメディアが6億ドルに及ぶとも報じている。大谷の巨額契約が成立する前に、他競技で“ライバル”が出現。世界トップレベルの契約額となるのか、ますます注目される。

また、移籍先の予測が飛び交う中、有力候補ドジャースの地元ロサンゼルスとブルージェイズの地元トロントで“場外バトル”が発生。前日6日、「スポーツネットLA」で、元ドジャース内野手が「カナダは寒い。(試合前に)2つの国歌を聴かないといけないし、税金が高い」などと発言。これを受け、トロントでは朝の人気テレビ番組で司会が「国歌が2つ聞けていい。カリフォルニアは全米で5番目に税金が高い。LAも雪が降った」と反論。さらに世界で最もひどい交通渋滞や、地震の可能性を指摘し、92年以降ではブ軍が2度(ド軍は1度だけ)、ワールドシリーズ制覇を果たしているなど、好条件を猛アピールした。

沈黙を続ける大谷サイドに対し、米メディアから賛否両論の意見が交わされ、話題は絶えない。ちょうど6年前の12月8日は、ポスティングシステム(入札制度)でメジャー挑戦を目指していた大谷が、候補球団の中からエンゼルスと契約合意に達したことが報じられた日。大谷の結論は果たして…。決着の時が近づいている。