ヤクルトの村上宗隆がめざましい活躍を続けている。26日からの2位DeNAとの3連戦では初戦と3戦目の決勝アーチを含む4本塁打、9安打9打点で3連勝の立役者となった。連続打席出塁は日本記録に迫る14まで伸び、いまや手がつけられない状態だ。(記録は29日現在)
26日の46号は通算150号の節目でもあった。22歳6カ月での到達は史上最年少のスピード記録という。村上同様、高卒でプロ入りした僕は5年目でどれぐらいのペースで打っていたのだろう。改めて記録を見てみたら、僅か1本だった。
野手は一人前になるのに時間がかかるし、長距離砲はなおさらだ。巨人時代の松井秀喜さんをも上回る成長曲線には驚くばかりだ。打棒だけでなく、いまや山田哲人を上回る存在感で、チームを引っ張っている。
村上の長所は、ボールを捉えるポイントが体に近く、軸が崩れないところだ。軸足(左足)にしっかり体重を乗せ、そのまま振り切るから、いかにも長距離砲らしく、フォロースルーでは体が反り返る形になる。投手が緩急をつけてタイミングをずらそうとしても、ボールを迎えにいくことなく、「いらっしゃい」と待っていられる。非常に完成度の高いフォームで、直すところがない。年齢を考えても、しばらくは村上の時代が続くだろう。
三冠王に向けては、打率で大島洋平(中日)や佐野恵太(DeNA)の追撃をかわさなければならない。両者とも手ごわく、一筋縄ではいかないだろうが、ぜひとも山を越えてほしい。60本という日本記録の更新も現実味を帯びてきた本塁打の数も楽しみだ。
充実の村上と対照的に、2年連続で本塁打と打点のタイトルを獲得していた巨人の岡本和真はパッとしない。どんな打者にもスランプはあるものだが、とにかく今年は崩れっぱなしだ。これだけ続くということは体調が万全ではないのだろう。4番から外されたのはつらいと思うが、そこは実力の世界。自分の力で取り返すしかない。
一方、岡本に代わって4番に入った中田翔は久々に存在感をみせている。昨年、不本意な形で日本ハムから巨人に移籍したものの成績が上がらず、崖っぷちの状況が続いていた。正直、いまの打撃の形はあまり良いとは思わないが、ボールを長く見ようとしている印象は受ける。中田は元来、前でさばくタイプなのだが、懐まで引き付ける意識で打っているのがプラスに働いているのだと思う。
中田より1学年上のソフトバンク・柳田悠岐は少々気掛かりだ。明らかに下半身が弱っていて、良いときはピタッと決まっていたボールを待つときの一本足がグラグラしている。これが改善しないと、本来の姿は戻ってこない。年齢とともに体が変わるのは致し方のないことなのだが、打撃スタイルはそう簡単には変えられない。
心技体の中でも、年齢を重ねるほど土台となる「体」の重要性は増す。長い選手生活では誰もがこうした壁に当たる。今後、長く一線で活躍するために、もう一度体調を整えてほしい。
(野球評論家)
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2022-08-30 20:00:00Z
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