トレードの行方が注目されたエンゼルス大谷翔平投手（28）が、残留決定的となった。1日付のニューヨーク・ポスト電子版が「エ軍が大谷のトレードオファーに応じることを取りやめた」と伝え、複数の米メディアも一斉に残留を報じた。米東部時間2日午後6時（日本時間3日午前7時）のトレード期限を前に、移籍市場の目玉だった大谷の話題が球界を駆け巡った。

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大谷獲得に動いたヤンキースやドジャースなど多くの球団が、撤退を余儀なくされた。残留決定的の第一報を伝えたニューヨーク・ポスト紙のジョン・ヘイマン記者は「獲得に動いた球団は、エ軍の方針に理解を示し切り替えている」と伝えた。ヤ軍とパドレス、ホワイトソックスなどが「本気のオファーを提示していた」とも伝えた。

エ軍が大谷を残留させる方向へ傾いたのは、モレノ・オーナーの意向が大きい。これまで巨額資金を投じて多くのスーパースターを獲得してきた同オーナーが、大谷を手放すことを拒否したという。特に大型契約を結ぶトラウト、レンドンの2人のスター野手がケガで離脱している現状では、大谷放出は球団にとってマイナスの方が大きいと判断したとみられている。

しかし、球団がこの期限で大谷を引き留めても、流出の可能性はまだ消えない。ロサンゼルス・タイムズ電子版は「オオタニはポストシーズンで戦うことを望んでおり、球団は来季後にFAとなる彼を何の見返りもなく失う危機に立たされる」とし、今オフ以降のトレードの可能性を示唆した。

トレード騒動の渦中にある大谷はこの日試合がなく、本拠地アナハイムで休養した。同僚の先発右腕ロレンゼンらと球場から車で約20分の距離にあるニューポートビーチで過ごした様子が、同投手のインスタグラムに投稿された。リラックスした様子で笑みがはじけ、騒動などどこ吹く風といった表情だった。

2日（日本時間3日）からは本拠地でアスレチックスとの3連戦がスタートする。大谷は2戦目となる3日（同4日）に、今季10勝目を懸け先発登板する。この2試合は白星に恵まれておらず、今度こそベーブ・ルース以来104年ぶりの「2ケタ勝利＆2ケタ本塁打」の偉業達成なるか、注目されている。