Kamis, 25 Agustus 2022

【巨人】プロ野球記録にあと「1」戸郷翔征が初回の先頭打者から6連続K「桑田さんといい取り組み」平均与四球減少 - スポーツ報知

◆JERAセ・リーグ 巨人2―1中日(25日・東京ドーム)

 巨人の戸郷翔征投手(22)が中日相手に8回6安打1失点で自己最多を更新する11勝目を挙げ、プロ通算30勝に到達した。初回先頭から6者連続三振を奪うなど、11奪三振。リーグトップの123奪三振とし、巨人では1990年の木田優夫以来となる高卒4年目での最多奪三振を視界に捉えた。坂本勇人内野手(33)は4回に歴代単独9位となる412本目の二塁打を放ち、球団4人目の700長打に到達。チームは3カードぶりの勝ち越しで、3位・阪神との2ゲーム差を守った。

 小さくうなずき、戸郷は覚悟を決めた。1点リードの8回1死一、二塁、1ボール2ストライク。平田に勝負球のフォークを投げ込んだ。鋭い変化で芯を外して二ゴロ併殺。グラブを何度もたたき、感情をあらわにした。高橋宏との投手戦を制し、8回6安打1失点、11奪三振で自己最多を更新する11勝目。プロ67登板目で通算30勝に到達し、「高橋くんもいい投手。プレッシャーもかかっていましたが、その中で奪三振もたくさん取れていい投球ができました」と振り返った。

 序盤から飛ばした。プロ野球記録にあと「1」に迫る初回先頭からの6者連続三振。3回には自身の悪送球で無死満塁とされたが、1死から溝脇の投ゴロを右手に当てながら本塁封殺するなど気迫の投球で無失点。5回の攻撃では1死一、三塁で三塁線へのセーフティースクイズで決勝点を演出。直後、6回1死満塁のピンチを背負ったが「ピンチができたらいったん落ち着こう」という桑田投手チーフコーチの教えを思い出し、後続を断った。今季の123奪三振は2位に10差のリーグトップ。巨人では1990年の木田優夫以来の高卒4年目での最多奪三振へ大きく前進した。

 継続が生み出す力を戸郷が証明している。今季は次回登板までに中6日より空く際は3度、中6日では2度ブルペン投球を行う。昨季は1度のみだったが、桑田コーチからの「(マウンドの)傾斜を感じよう」との提案で導入。傾斜で投球する中で指先の細かな感覚を磨くことが狙いで、同コーチは「彼はちゃんと守ってやっている」と丁寧な取り組みを評価している。

 効果は数字に表れている。今季1試合(9イニング)あたりの平均四球数を表す与四球率は2・78で、昨季の3・44から向上。1・20未満でエース級とされるWHIP(1イニングあたりの被安打と与四球の平均値)は、昨季の1・24よりもいい1・16だ。制球力向上に伴って投球の安定感も増したが右腕は「桑田さんといい取り組みが毎回できている。これを継続して意識せずに制球力がついたら一番」とさらなる成長を目指している。

 チームは3カードぶりの勝ち越し。原監督は「相手に1点しかホームを踏ませなかった。それは素晴らしかった」とたたえた。「チームの勝ちを意識してやっていく中で、この数字(11勝)になったのはうれしい。まだまだチームのために勝っていきたい」と戸郷。次代のエースが描く成長曲線は、とどまるところを知らない。(小島 和之)

 【高橋由伸Point】

 戸郷の球には角度があり、直球や特にフォークの威力は抜群だった。自分が対戦したと想定しても、カウントを取りに来る球を狙うしか方法はない。たまの甘いボールを見逃さないようにし、追い込まれたら攻略は厳しい。

 精神的な成長も感じた。特に6回1死満塁カウント2―2、福田への内角直球はボール判定となったが実に微妙なところ。それでも表情一つ変えず、フルカウントからフォークで空振り三振にした。自分の球に自信を持っている証拠だ。8回もベンチの期待に応えた。本当に頼もしくなった。

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2022-08-25 21:00:00Z
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