マックス・フェルスタッペンはレースの大半をルイス・ハミルトン(メルセデス)に続く2位で走っていたが、終盤にフロントウイングの損傷とミディアムタイヤのデグラデーションに悩まされ、67周目にバルテリ・ボッタスに抜かれて3位でレースをフィニッシュした。
アレクサンダー・アルボンも4位を力走していたが、同じく終盤に入るとこの日絶好調だったセルジオ・ペレス(レーシングポイント)から厳しいプレッシャーを受けた。攻勢のペレスは最後に勝負を仕掛けるが、アルボンと接触してフロントウイングを損傷。アルボンはそのまま4位でフィニッシュした。
スタートは、ハミルトンがスムーズに前に出る中、フェルスタッペンはカルロス・サインツ Jr.(マクラーレン)からプレッシャーを受ける。フェルスタッペンとサインツは並んでターン1へ進入するが、ターン3に向けてフェルスタッペンがポジションを守ることに成功。サインツ Jr.の後ろにはボッタスが続いた。
しかし、その後方でいきなりトラブルが発生。セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)がターン3で接触し、ベッテルがリアウイングを失ってしまう。両マシンがピットインし、セーフティカーが導入される中、ベッテルは早くもリタイアした。
4周目にレースが再開すると、ハミルトンがフェルスタッペンを抑え、サインツとボッタスが続いた。ルクレールは接触のダメージに苦しみ、結局ベッテルに続いて5周目にリタイアした。
6周目、ボッタスがサインツをパスして3位に浮上。ハミルトンから1.6秒遅れのフェルスタッペンを4.2秒先に捉える。5位を走行していたアルボンは4位に落ちたサインツを狙い始める。
そしてアルボンは8周目にチャンスを見出して一気にサインツをパス。5位に落ちたサインツの後方にはエステバン・オコンとダニエル・リカルドのルノー勢が迫った。
上位陣はここからやや落ち着き、メルセデスとアストンマーティン・レッドブル・レーシングが4位まで独占する展開となる。その後方にサインツ、オコン、リカルドが続き、さらにはランス・ストロールとセルジオ・ペレスのレーシングポイント勢とピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ)が続いた。
しかし、フェルスタッペンがボッタスから徐々にプレッシャーを受けるようになっていたため、フェルスタッペンは24周目にピットイン。ミディアムタイヤに履き替えて3位でレースに復帰する。
25周目、オコンがピットインするがそのままガレージに入ってしまう。技術系トラブルを抱えていたオコンはそのままマシンを降りてリタイアとなった。
首位を快走していたハミルトンは27周目にピットインし、ソフトからミディアムにタイヤを交換するが、暫定首位に立ったボッタスはステイアウトしてファーストスティントを続行。34周目の終わりにピットインしたボッタスは、ミディアムタイヤに履き替え、フェルスタッペンから約8秒遅れの3位でレースに復帰した。
続いてアルボンもピットインしてミディアムタイヤに履き替えると、7位でレースに復帰。続けてリカルド、ノリス、ペレスがピットインしたため、すぐに4位へ浮上する。
43周目、ハミルトンとフェルスタッペンの差は約5秒まで広がっていたが、ボッタスはフェルスタッペンとの差を約6秒まで詰める。アルボンはボッタスから約30秒後方、5位リカルドの約4秒前方の4位で独走状態となり、リカルドの後方にはストロール、ペレスと続く。そのさらに後方に8位サインツ、ピットインを済ませていない9位キミ・ライコネン(アルファロメオ)、10位ノリスと続いた。
45周目、ペレスがストロールを抜いて6位に浮上すると、48周目にはリカルドも仕留めて一気に5位へ浮上。ストロールはペースが落ちてきたリカルドにターゲットを切り替える。
ここからペレスが目覚ましいレースペースを見せ、アルボンとの差を急速に縮めていくと、54周目には2秒差まで詰め寄り、さらにはファステストラップを重ねていく。その前方ではボッタスがフェルスタッペンとの差をさらに縮め、64周目には1.8秒差まで迫った。
66周目、ボッタスが遂にフェルスタッペンにアタックを仕掛けて前に出るが、フェルスタッペンはタイヤがほぼ残っておらず、さらにはフロントウイングにダメージを負っていたにもかかわらず、素晴らしいムーブですぐに抜き返してポジションを守り、見せ場を作った。
しかし、マシンスピードで上回っていたボッタスは続く67周目にフェルスタッペンを仕留めて2位に浮上。打つ手がなかったフェルスタッペンは3位に後退した。
70周目、アルボンがペレスの激しいプレッシャーに晒される。ペレスはオーバーテイクを仕掛けるが、ここで接触。ペレスはフロントウイングを痛めて一気に失速し、アルボンは4位を守った。
その後方ではストロールがリカルドにアタックし、2人の後方からノリスも仕掛けていく。最後はノリスが2人の前に出て6位に浮上すると、フロントウイングのダメージで失速していたペレスも抜いて5位でフィニッシュした。
第2戦シュタイヤーマルクGPは圧倒的な速さを見せたハミルトンが優勝。2位にはボッタスが入り、3位フェルスタッペン、4位アルボン、5位ノリスと続いた。ダメージを負ったペレスが6位に入り、7位にはストロール、8位にはリカルドが入った。好スタートを切ったサインツは9位に沈み、10位にはダニール
キャリア32回目の表彰台フィニッシュを記録したマックス・フェルスタッペンは次のようにレースを振り返った。
「表彰台フィニッシュはベストの結果だった。表彰台に戻れたのはもちろん嬉しいけれど、優勝を狙うにはマシンが遅すぎる。できる限りハードにプッシュしたし、ルイスに追いつくためにすべてを試したけれど無理だった。僕たちにはやるべきことが残っている。成長するためにこれからもプッシュしていくつもりだ。全員がハードワークを重ねている」
「バルテリとのバトルになるまではエキサイティングなレースとは言えなかった。バルテリが仕掛けてきた時、僕のタイヤはもうほとんど終わっていたし、パスされるのは分かっていたけれど、簡単にオーバーテイクさせるつもりはなかったし、アウト側から抜き返せたのは楽しかったね。4位との差がかなり開いていたから失うものは何もなかった。リスクを無視したドライビングができた」
「3位はもちろん良い結果だと思うけれど、僕たちが望んでいる結果ではない。僕たちは毎週末優勝を狙おうとしている。ハンガリーGPが有利に働くことを願っているよ。ストレートが少ないからチャンスが増えるはずだ。気温も上がるかもしれない。とにかく数日休んで、来週末に向けてリセットするよ」
キャリアベストタイの4位でフィニッシュしたアレクサンダー・アルボンは次のようにコメントした。
「レースはまずまずだったし、4位フィニッシュでチームに十分なポイントを持ち帰ることができた。先週末はDNFだったから、ポイントは絶対に必要だった。個人的な感想を言えば、もう少し前を走っていたかったね。僕のレースペースはそこまで良くなかった」
「まだタイムを削れる部分があると思うけれど、今週を通じてマシンへの理解を少し深めることができたし、どこをどうすべきなのかは分かっている。レッドブル・リンクのロングストレートとコーナーには少し苦しめられたけれど、改良の必要性を感じている部分については、僕もマックスも同意見だと思う」
ペレスがターン4で仕掛けてきたけれど、僕は彼に十分なスペースを与えていた。接触はしたけれどクラッシュはしなかったし問題ない
「レース終盤のペレスはとても速かったね。最終盤のターン4で仕掛けてきたけれど、僕は彼に十分なスペースを与えていた。おそらく少し膨れたペレスが戻そうとしたタイミングで接触してしまったんだと思う。でも、クラッシュはしなかったから問題ない。ハードにレースしただけだ。ハンガリーGPまで見直す時間が1週間ある。今日のレースで分かった通り、メルセデスを倒すのは簡単じゃない。彼らは本当に強いけれど、プッシュし続けるよ」
チーム代表のクリスチャン・ホーナーは次のようにコメントを発表した。
「シーズン初表彰台を獲得できたのは嬉しいが、優勝を狙えるペースが得られなかったことにフラストレーションを覚えている。メルセデスは私たちよりも速く、戦術の選択肢の数も多かった」
「私たちはマックスにミディアムタイヤを履かせ、マックスは2位を快走していたが、縁石でフロントウイングにダメージを負ってしまい、タイヤのデグラデーションに悪影響を与えてしまった。最後までボッタスに食らいつこうとしたが、今日は3位がベストだった。とはいえ、他のマシンからはかなりの差をつけることができていた」
「アレックスはオコンとサインツ Jr.に対して素晴らしいムーブを見せたが、前半は調子が出ていなかったように見えた。ピットイン後にペースが伸び始め、非常に速かったセルジオ・ペレスを抑えて4位を守り抜いてくれた。ファクトリーを含めた全員が努力をしてくれている。これからもすべての部分でプッシュしていきたい。またこうしてレースできたのは嬉しいが、これからはハンガリーGPにフォーカスしていく。ハンガリーGPでさらに差を縮めたい」
カテゴリー: F1 / レッドブル / ホンダF1 / F1オーストリアGP
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2020-07-13 22:40:18Z
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