DeNAは29日の巨人戦を3―2で逃げ切った。アレックス・ラミレス監督(45)は開幕から不振だった守護神の山崎康晃投手(27)を7回に3番手で投入。8回はスペンサー・パットン投手(32)、9回は三嶋一輝投手(30)と無失点でつないだ。一時的とはいえ、絶対的守護神の配置転換という決断を下し、3連敗を阻止した。
仲間が積み上げてきた勝利へ、最後の3アウトを託す存在は守護神と言われる。その存在の大きさを誰もが知っているからこそ、東京ドームにどよめきが起こった。1点リードの7回、マウンドに上がったのは守護神の山崎だった。
「7回だといつもよりプレッシャーが少し少ない」と意図を説明したラミレス監督。2死三塁のピンチを招いたが、最後は坂本を中飛で脱した。8回はパットン、9回は三嶋が締めた。山崎は「特にコメントすることはありません」と心の内を語らなかった。
昨季まで2年連続最多セーブを誇る右腕が、今季はここまで12試合に登板して、3度のセーブ機会失敗があった。特に前回26日の広島戦は、1点リードの9回に会沢に満塁弾を浴びるなど5失点だった。一度は抑えを継続する方針を示していたラミレス監督だったが、この日の練習前に投手コーチと山崎の話し合いの末に、17年以来、3年ぶりとなる中継ぎでの起用が決まった。
「彼自身、何度も不調を経験して、その都度克服している。彼の精神力は誰にも負けないくらいの強さがある。彼自身が克服しなければいけない」とラミレス監督。この日は直球の最速は151キロを計測。ツーシームの切れも戻りつつあるが、自信回復まで、当面はリードした場面での中継ぎで起用する方針を示した。
「優勝するためには山崎がクローザーでなければいけない。彼のポジションに戻って、セーブシチュエーションでセーブを挙げてもらうことが優勝には必要」と指揮官は力説した。その決断が正しかったかどうかは、山崎がその右腕で、9回のマウンドを取り戻せるかにかかっている。(町田 利衣)
《前回は中継ぎ経て復活》○…山崎(D)が7回のマウンドに上がるのは17年5月14日阪神戦以来3年ぶり。同年は開幕から抑えを務めたが、登板5試合目の4月13日阪神戦と14日ヤクルト戦で2日連続の救援失敗。守護神剥奪で、4月16日ヤクルト戦から中継ぎとして主に7回を任されると、1勝11ホールドを挙げ、15試合、13回1/3を無失点と奮起。5月20日巨人戦で復活の3セーブ目を挙げると、以後は抑えとして復活し26セーブで3位からの日本シリーズ進出に貢献した。
▼DeNA三嶋(9回を3者凡退で締めプロ8年目初セーブ)いつもと変わらずベストな投球をすることを考えた。一喜一憂せず、任されたところで結果を残していきたい。
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2020-07-29 20:38:00Z
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