(セ・リーグ、阪神2-1DeNA、6回戦、3勝3敗、12日、甲子園)球児さんの分まで頑張る! 阪神はDeNAに2-1で勝利。先発した岩貞祐太投手(28)が8回3安打無失点と好投し、右肩コンディショニング不良で出場登録を抹消された藤川球児投手(39)の魂を引き継いだ。3カード連続勝ち越し。虎一丸で最下位脱出が見えてきたぞ!
4931人の手拍子を背に受け、リズムに乗った。最大のピンチを三振で切り抜けると、岩貞はガッツポーズ。気迫のこもったプレーで今季最長の8回を投げ、大山とともにチームで初めて甲子園のお立ち台に立った。
「初回はやっぱり久しぶりにお客さんが入っていて、懐かしいなという感じで。でも、その声援が力になって、攻めの姿勢で腕を振っていくことができました」
チーム打率・285の強力DeNA打線に付け入る隙を与えなかった。
四回まで与四球1つのみの無安打投球。最初で最後のピンチは1-0の八回だった。2死から安打と四球で一、二塁を招いたが、梶谷を決め球のフォークで空振させた。
「球児さんが戻ってくるその時まで、チームがいい状態にいて、球児さんが抑えをするというのがベストだと思う。そうなれるように投手陣が一つになって頑張っていきたい」
特別な思いがあった。
前日11日、九回に登板しながらも3失点した藤川が、この日、出場選手登録を抹消された。朝、その球児からLINEが送られてきたという。「本当に感謝しかないし、球児さんのためにも必死でやっていくしかない」。メールの内容はカーテンの向こう。ただし「常に完封するという気持ちでやっている」という左腕にとって、何よりのカンフル剤になった。
チームの活動を再開した5月、中継ぎから先発に再転向となり、投球フォームで悩んでいた。そのとき、アドバイスをくれたのも藤川。右足を一直線に伸ばす今のスタイルを二人三脚で編み出した。戦線から離脱した先輩に恩返しするために、どうしても勝利を届けたい。その思いだけだった。ガンケルが急きょ、中継ぎとして今後起用されるが、球児に勝るものはない。非常事態に陥った救援陣の負担を少しでも減らしたかった。
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2020-07-12 20:03:26Z
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