Minggu, 28 Januari 2024

前田こじ開けた「18分台」 陸上・大阪国際女子マラソン|あなたの静岡新聞 - あなたの静岡新聞

 大阪国際女子マラソンは28日、大阪市のヤンマースタジアム長居発着で行われ、前田穂南(天満屋)が2時間18分59秒の日本新記録で2位となり、東京五輪に続く2大会連続代表入りに大きく前進した。2005年に野口みずきが樹立した2時間19分12秒を19年ぶりに更新。国内大会で日本選手が2時間20分を突破するのは初めて。

2時間18分59秒の日本新記録をマークし、2位でゴールする前田穂南=ヤンマースタジアム長居
2時間18分59秒の日本新記録をマークし、2位でゴールする前田穂南=ヤンマースタジアム長居

 中間点付近で集団から飛び出した前田は31キロ過ぎで先頭を譲ったが、終盤の失速を最小限にとどめた。
 ウォルケネシュ・エデサ(エチオピア)が2時間18分51秒で優勝。4度目の大会制覇を狙った松田瑞生(ダイハツ)が2時間23分7秒で3位。佐藤早也伽(積水化学)は5位だった。
 合計3枠のパリ五輪女子代表は昨秋の「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で優勝した鈴木優花(第一生命グループ)と、2位の一山麻緒(資生堂)が決定済み。今大会か3月の名古屋ウィメンズで日本陸連の設定タイム2時間21分41秒を突破した最速選手が残り1枠に入る。(スタート時晴れ、気温9・3度、湿度50%)
 (共同)

 【経過】序盤から5キロ16分半前後のハイペースで進んだ先頭集団から、中間点過ぎで前田が飛び出した。25~30キロは16分10秒。31キロ過ぎでエデサに抜かれたが、食らいついて大きくペースを落とすことなく2位。日本記録を13秒更新した。
 中盤で集団から遅れた松田は、終盤やや巻き返して3位。佐藤は35キロ以降で大きくペースを落とし5位だった。
 (共同)

 ▽成績 ①ウォルケネシュ・エデサ(エチオピア)2時間18分51秒=大会新②前田穂南(天満屋)2時間18分59秒=日本新③松田瑞生(ダイハツ)2時間23分7秒④チェサン(ウガンダ)2時間23分36秒⑤佐藤早也伽(積水化学)2時間24分43秒⑥スタインラック(ドイツ)2時間24分56秒⑦松下菜摘(天満屋)2時間25分10秒⑧大東優奈(天満屋)2時間25分16秒⑨中野円花(岩谷産業)2時間26分50秒⑩西川真由(スターツ)2時間27分13秒
 (共同)

五輪へ前進「達成感」  30キロまで引っ張る想定のペースメーカーの前に、前田がすっと出た。まだ21キロ過ぎ。「日本記録を出したいという思いがあったから、体が動いたらいこうと思っていた」と早めに仕掛けた。エデサには抜かれたものの、大幅なペースダウンはない。念願を成就し「最後まで力を出し切ることができて、すごく達成感がある」と破顔した。
 自信を持ってスタートラインに立った。米国の高地で約1カ月の合宿は順調。30キロの日本記録を樹立した約4年前の練習と比べ、40キロ走を5分近く速い設定タイムでこなした。「やってきたことを信じて走れた」。終盤も先頭に食らい付き、初の18分台突入で日本の歴史を動かした。
 多くの選手が厚底シューズを採用した2021年の東京五輪に従来の靴で挑み、33位に沈んだ。雪辱を期して厚底に履き替えたが、かかとを疲労骨折するなどつまずいた。適応に苦しむ娘に両親が紹介したのは、イチローさんらがトレーニングに通った「ワールドウィング」の提携施設。そこでのトレーニングで「体の柔軟性、可動域が広がった」という。故障が減り、ようやく厚底シューズを履きこなせる体ができた。
 東京五輪から次のマラソンまで1年半。競技をやめたいと周囲に漏らした。苦境で、しかし諦めず続けた努力がこの上ない結果となった。「走るのが嫌になったことがあったが、やっぱり楽しいと思えた。もう一度しっかり世界と勝負したい」。2度目の五輪で戦う自らを思い描いた。
 (共同)
「あとは待つのみ」 一問一答  女子マラソンで日本新記録を樹立した前田は充実感をにじませながら喜びを口にした。
 -今の心境は。
 「今の力をしっかりと出し切れた。自己ベストと日本記録を更新できてすごくうれしい。もう一度しっかりマラソンを走ることができて、やっぱり楽しいと思えた」
 -レース終盤は。
 「後半は向かい風が強かったり、雨が降ったりしてどうなるか分からなかったが、前の選手が見えてきたのでそこに向かっていくように走った。最後は我慢して、絶対に日本記録を切ろうと思って走ることができた」
 -今大会を迎えるまでの手応えは。
 「高地合宿で距離をしっかり走り込み、変化走を中心に消化できたことが自信になった。練習を継続してやってこられたことが一番大きかった」
 -給水には2度失敗。
 「最初の15キロのボトルには、先輩がメッセージを貼ってくれていた。絶対に取ろうと思っていたのに取れなかったのは残念だった。飲めなかったことの影響はなかった」
 -苦しみを乗り越え、パリ五輪が見えてきた。
 「けがでなかなか思うように走れない期間が多く、悔しい部分があった。またしっかり結果を出せて、走っていて良かった。(代表決定は)まだどうなるか分からないが、今の力は出し切れた。あとは待つのみ」
 (共同)

名古屋出場者に 瀬古氏「奮起を」  日本陸連の瀬古利彦ロードランニングコミッションリーダーは、前田の日本記録樹立を「ブラボー。日本女子マラソンの歴史を変えてくれた」と祝福した。
 19年ぶりの記録更新。瀬古リーダーは、2018年に高岡寿成の持つ男子マラソンの日本記録が16年ぶりに塗り替えられた後、大迫傑や鈴木健吾が続々と更新したことを引き合いに、「歴史は一人が変えると、どんどん変わる。女子もそういうふうになってほしい」と今後に期待した。
 最後のパリ五輪代表選考レースとなる3月の名古屋ウィメンズにも目を向け、「2時間20分を切るレースが当たり前になっていかないと、世界に追い付かない」と言い、他の選手の奮起を求めた。
 (時事)
想定通りの逆転 エデサ大会記録V  大会新記録で優勝したエデサは中盤に一度前田に先行されたが、後半にペースアップして31キロ過ぎに先頭へ立ち、押し切った。勝負どころを逃さず、30キロから35キロは16分5秒でカバー。「30キロぐらいで追いつけるだろうと思っていたし、そのようになった」と想定通りに逆転した。
 終盤は足の痛みが出たが、自己最高に並ぶタイムでフィニッシュ。次戦は4月のボストン・マラソンに出場予定とし「優勝したいと思っている」と強気に宣言した。
 (共同)
 前田穂南(まえだ・ほなみ)兵庫・園田東中で陸上を始める。2017年8月の北海道マラソンで優勝。19年9月の「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」を2時間25分15秒で制して東京五輪代表に決定。20年2月に30キロで1時間38分35秒の日本記録を樹立した。21年の東京五輪は33位。大阪薫英女学院高出、天満屋。兵庫県出身。166センチ。27歳。
 (共同)
内容が素晴らしかった  前日本記録保持者、野口みずきさんの話 前田選手は内容が素晴らしかった。わくわくした。ペースメーカーを置いていった度胸は、世界にぐっと近づいたところを見せてくれた。寂しい思いもあるけど、さようなら、私の2時間19分12秒。
 (共同)
 

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2024-01-29 00:24:31Z
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