長所も死角も知り尽くした鞍上に替わり前進
有馬記念がほかのGIと異なるのは、年末の最後の一戦なので、「もう疲れているのではないか」と思われる有力馬がいること。ただ、今年はジャパンカップの上位3頭も、菊花賞の上位馬もいない。秋に3戦している馬は少ない。
有馬記念がもっとも難しくなるのは、コーナー6回の特殊な距離とコースで、例えば離して飛ばす馬が出現すると、みんなペースが読めない。内回りなので小回りのように思われるが、残り3ハロン標識は3−4コーナーの中間。3コーナー過ぎにスパートすると残りは700m以上あり、一番苦しくなる最後に急坂が待っている。スローならいいが、差し=追い込み馬でも3コーナーから動くと最後に止まる。
昨年はアエロリットが離して飛ばした。3コーナー過ぎでもっとも早く動いたのは中団の人気馬アーモンドアイ(9着)と、これをマークしていたフィエールマン(4着)。
前が離れているのでやむを得ない追撃だが、ともに完調には一歩の状態で、残り約700mもある3コーナー過ぎから動かざるを得なかったのは厳しい。これは幾多の有力馬が沈んだ典型的なパターン。4着フィエールマン(池添騎手)に先着したリスグラシュー以下の3頭は、ワンタイミング待っていた馬だった。体調一歩のアーモンドアイは沈んだ。
今年も前走のジャパンCの2000m通過が1分57秒5だったキセキが途中から先頭に立って飛ばす展開になると、有力馬の動くタイミングが難しくなるだろう。
フィエールマンの制したGI3勝はすべてC.ルメール。2018年の菊花賞は「鼻差」。2019年の天皇賞(春)は「首差」。ルメールでなければこういう微差でGIを勝てないと思わせたのは、またまたきわどい「鼻差」だった今年の天皇賞(春)。
前年とは他馬の動く地点が異なり、勝ち時計は前年と1秒5も違った。だが、前年よりスパートを遅らせて待つことにより、自身の後半600mは前年とわずか0秒1差の「34秒6」。ルメールはフィエールマンの長所も死角も知り尽くしているからだった。
そのフィエールマン、天皇賞(秋)では道中で挟まれて置かれたが、2000mの天皇賞(秋)史上2位タイの上がり32秒7で突っ込み、アーモンドアイを0秒1差に追い詰めた。このときは福永騎手。昨年の有馬記念の池添騎手と同じくテン乗りだった。
GIを「鼻、首、鼻」差で3勝のフィエールマンは、もともと長めの中距離がベストであり、スタミナ型でもなければ、スピード型でもない非常に難しいタイプ。難しい流れが予測される中、ルメールとのコンビなら、自在の切れをフルに爆発させることが可能だ。もう完成された5歳の暮れ、少々間隔が詰まったのは気にしないだろう。
有馬記念なので、軽視したい馬は少ないが、気力が戻った6歳のキセキ(父ルーラーシップ)は買いたい。前走は、あの厳しいペースで残り200m標識を過ぎてもまだ先頭で粘っていた。過去2回の有馬記念は、2018年は息を入れたい途中でスパートする形になって5着。2019年は出足のつかないスランプ時で、やむなく追い込んで5着。中山の2500mは少しも条件不利ではない。
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2020-12-26 09:00:00Z
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