セレッソ大阪は20日、来季監督に、クラブの元監督でブラジル人のレビークルピ氏(67)の復帰を正式発表した。C大阪では8年ぶり4度目の監督登板となり、18年7月に解任となったガンバ大阪を含めれば、Jリーグでは異例の5度目登板となる。

C大阪では就任2年目のロティーナ監督(スペイン)は昨季5位、今季4位と安定して上位争いを演じたが、さらなる攻撃的で魅力あるサッカーへと進化するため、契約を更新しなかった。

レビークルピ氏は現役引退後の85年から、約34年間でのべ31クラブで監督に就任し、一時はブラジル代表監督の候補にもなった世界的名将だ。中でも選手育成の手腕にたけ、たとえ無名であっても長所を見抜いて抜てきする。

C大阪では97年の第1次政権で攻撃サッカーの基盤をつくり、07~11年の第2次政権ではMF香川、乾、清武らを、12、13年の第3次政権ではMF山口、FW柿谷、南野らを育て上げた。第2次政権時の10年には、クラブ最高の3位にも輝いている。

C大阪では常勝クラブになると同時に、以前のように自前で育てた選手を世界に供給する「育成型クラブ」の確立を目指しており、DF瀬古歩夢(20)やMF西川潤(18)ら若手を成長させたい思惑がある。

19年4月に母国アトレチコ・ミネイロで解任され、その後は監督業から引退していたレビークルピ氏だったが、関係の深いC大阪の熱意ある打診に現場復帰を決意した。来年2月に68歳となるが、健康面に不安はないという。同じブラジル人の柏レイソル、ネルシーニョ監督(70)も手腕を発揮し続けている。

今回はロティーナ監督が達成できなかったタイトル獲得はもちろん、若手の育成がレビークルピ氏の大きな使命となる。クラブ側は「世界に選手を再び送り出せる組織にしたい」と意気込んでいる。

◆レビークルピ 1953年2月28日、ブラジル生まれ。引退後の85年から約34年間でのべ31クラブで監督に就任。C大阪では97、07、12年と3度就任して香川や乾らを海外移籍させた育成力に定評。J1通算68勝38分け56敗。母国で日本食店も経営する親日家で、C大阪とは家族のような信頼関係を築く。