<記者の目>
イチロー先生に感激! 昨年に引退、現在はマリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(47)が4日、智弁和歌山(和歌山市)の野球部で“アマ初指導”を行った。走塁などで持論を展開した後には現役時代に天才ヒットマンの異名を取ったフリー打撃を披露。生徒らを感激させた。
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「初指導」はコロナ禍を考慮し、最終日の4日だけ、それも代表取材という形で公開された。社会情勢に敏感なイチロー氏の判断だ。そんな同氏がずっと考えているのは野球に限らず「教える側」と「教えられる側」の関係性だろう。
目立ったのは生徒の自主性に期待した点だ。初日は見学、観察のみで終えている。この日は自主トレのメニューを自分で考えてほしいとも伝えた。かつてはスパルタが当たり前だった高校野球も時代の流れで変化している。それを十分、意識した指導だろう。
「今は厳しく教育することは難しい。最終的には自分で自分のことを教育しなければならない時代に入ってきたと思う」。これは昨年、イチロー氏が昨年限りで終えた少年野球大会「イチロー杯」でスピーチしたときの言葉だ。
イチロー自身、名門・愛工大名電はもちろんオリックスでも厳しく鍛えられてきた。だが30年以上前と現在は教育、指導という面で大きく変化した。双方にとって、ある意味、難しい時代になっている。そんなことを考えながらイチロー氏なりのメッセージを伝えた3日間だったと思う。【編集委員・高原寿夫】
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2020-12-04 09:08:00Z
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