今季限りでの現役引退を発表したラグビー元日本代表FBの五郎丸歩(34=ヤマハ発動機)が16日、浜松市内で記者会見を行い、15年W杯時に社会現象となった「五郎丸ポーズ」について複雑な思いを明かした。

五郎丸がキックする際に両手を体の前で合わせる「五郎丸ポーズ」が話題になり、新語・流行語大賞の候補にもなった。五郎丸個人が注目されたことに、「ラグビーをずっと続けてきた人間としては非常に違和感を感じた。ラグビーは誰かヒーローが出るわけではなく、チームみんなが仕事を全うして勝利がみえる競技性をもっている」と、チームスポーツであることを強調し、当時の複雑な思いを吐露した。

その一方で、ラグビーが日本で広がっていないことにも気付き「私の仕事というか…ラグビーの魅力を伝えて広げることが、自分の使命だと思ってここまでやってきた」と説明。現在の気持ちとしては「最初は少しきつかったが、考え方を変えれば素晴らしい機会をもらった。あのポーズから入って、ラグビーを好きになる人、違う選手を好きになった人が1人でも多くいれば続けてきた意味はあると思う」と穏やかな表情で語っていた。