Jリーグは30日、J1鳥栖の金明輝(キム・ミョンヒ)前監督(40)が選手及びスタッフに対して暴力行為や暴言などを繰り返し、多数のチーム関係者が深刻な精神的ダメージを受けたとして、同氏のパワーハラスメント行為を認定した。公表された21ページにわたる調査報告書により、金氏の約5年間にわたる複数の暴力や暴言が明らかになった。Jリーグはクラブに罰金300万円とけん責、金氏に公式試合への出場の資格停止8試合または8試合に相当する期間の経過とけん責の処分を科した。
金前監督による、約5年に及んだ悪質なパワハラの実態が明らかとなった。Jリーグは9月15日からの約3か月間、クラブ幹部や選手90人へのヒアリングを延べ100回行う異例の大規模調査を実施。映像などの客観証拠は一部残っているものの、ヒアリングを中心に具体性や迫真性などを踏まえ、事実関係を認定した。
報告書によると、金氏は選手に「死ね」「殺すぞ」「お前の顔は気持ち悪い」などの暴言を繰り返し、平手打ちや蹴り、胸を突き飛ばすなどの暴力行為も複数回行った。ユース監督時代にも、同等の事案を行っていたことが確認された。
調査の際、自身に不利益な発言を行わないよう関係者に根回しし、事実を話した関係者を非難する言動もあったという。Jリーグは「社会的に許容されうる範囲を逸脱し、指導方法として必要性を欠くものであることが明らか。ハラスメント行為に該当する」とした。
日本サッカー協会は報告書をもとに、S級ライセンスを持つ金氏の処分を後日決定する。Jリーグは金氏に対し「公式試合出場の資格停止8試合または8試合に相当する期間の経過とけん責」の処分を科した。金氏は監督を退任しているが、クラブと契約を残しており来季2月19日~3月26日が適応期間となる。クラブ幹部は金氏の処遇について明言を避けた。
調査対象者からは「クラブが監督を裸の王様にしてしまった」という声もあったという。クラブに科された罰金300万円は、ともにパワハラが認定された19年の湘南元監督(200万円)、21年の東京V前監督(100万円)より重い。金氏は9月1日にスポーツ報知が報じたパワハラ行為の一部を幹部との面談で認めたが、クラブは翌2日、リーグに「記事内容についてやった記憶はないし、覚えていないとのことでした」と報告したという。調査を担当した中村克己弁護士は「消極的隠ぺいととられても仕方がない」と指摘した。
処分発表を受け、この日夜に会見した鳥栖の福岡淳二郎社長は「大変重く受け止めている」と謝罪したが、クラブ内での調査が機能しなかった理由、リーグ終了まで金氏の指揮を継続させた理由などについて曖昧な回答に終始した。Jリーグ監督のパワハラ認定は直近3年で3例目。早急に再発防止策を講じなければ、Jリーグの社会的地位が揺らぎかねない。(岡島 智哉)
◆金 明輝(キム・ミョンヒ)1981年5月8日、兵庫・伊丹市出身。40歳。尼崎朝鮮初中級学校、初芝橋本高を経て2000年市原(現千葉)に加入。甲府や富山などでDFとしてプレーし、11年に現役引退。翌12年から指導者に転身し、14~15年に鳥栖U―15、16~18年途中まで鳥栖U―18監督。18年途中にトップチーム監督に就任。一度は退任するが、19年途中から再び指揮を執る。21年12月20日に退任。J2通算37試合1得点。
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2021-12-30 21:00:00Z
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