Jリーグの年間表彰式「Jリーグアウォーズ」が22日に行われ、最速Vや最多勝ち点を記録した川崎フロンターレから、史上最多9人がベストイレブンに選ばれた。大卒新人でアシスト王に輝いたMF三笘、今季湘南ベルマーレから加入したDF山根ら、FW以外のポジションは全て川崎Fの選手が受賞した。

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記録ずくめのリーグ戦を終えた川崎Fに、また1つ“記録”が加わった。Jリーグ28年目にして初めて、1クラブから9人がベストイレブンに選ばれた。GKチョン・ションリョン、DF登里、谷口、ジェジエウ、山根。MFは守田、田中、家長、そしてルーキーの三笘。主将の谷口が「そう簡単ではないこと」と言えば、家長は「めったにないこと。歴史的な瞬間にいられて非常に喜ばしい」と、その事実をかみしめた。

強さは内から生まれた。主将の谷口は「毎試合のメンバー争いは、今年は特に激しかった。競争がチームを強くしたんだとあらためて感じている」と証言した。今回の受賞者以外にも、16年MVPのMF中村、17年MVPのFW小林、またMF大島やFWレアンドロ・ダミアンなど、実績ある選手の多いチームで先発を勝ち取るのは至難の業。14ゴールで日本人得点王の小林は先発13試合、新人最多タイ13ゴールの三笘は同11試合と、結果を残した選手には途中出場も多かった。守田も前半戦で出番の少なかった選手の1人。「準備は常にしていた。後半戦で起用されたとき結果に結びつけられた」と、実力でチームを押し上げた。

村井チェアマンは「『ローマは1日にしてならず』ではないが、人が変わっても一貫して自分たちの目指すべきサッカー像がある」と、指揮官が代わっても攻撃的なサッカーを貫いてきた川崎Fをたたえた。同時に「多くのクラブから、フロンターレをしのぐ存在が現れてほしい」と話した。競争でチームが強くなるならば、競争でリーグも強くなるはずだ。【杉山理紗】

▽MF田中 (他クラブの)選手や監督に評価されたのはうれしい。賞をいただけたが納得のいっているシーズンではない。もっと圧倒的な選手にならないと。

▽GKチョン・ソンリョン 他のGKもいいパフォーマンスをしている中で選ばれて光栄。監督からは常にチャレンジしろと言われていた。

▽DFジェジエウ 心から幸せな気持ちでいっぱい。チームメートとともに成長を見せられた。このチームメートともう1つのタイトル(天皇杯)を取りたい。

ベストイレブンは以下の通り。 ▼GK チョン・ソンリョン(川崎F) ▼DF ジェジエウ(川崎F)、谷口彰悟(川崎F)、登里享平(川崎F)、山根視来(川崎F) ▼MF 家長昭博(川崎F)、田中碧(川崎F)、三笘薫(川崎F)、守田英正(川崎F) ▼FW エヴェラウド(鹿島)、オルンガ(柏)