エンゼルスが7日(日本時間8日)、ジョー・マドン監督(68)の解任を発表した。チームは前日6日まで球団ワーストタイの12連敗。現状は56試合を終えて27勝29敗の借金2で、8年ぶりのプレーオフ進出へ、チーム立て直しのためにミナシアンGMがかじを切った。本紙MLB担当記者が電撃解任の裏を解説した。

 ◇   ◇

解説 マドン監督の突然の解任について、ミナシアンGMは苦渋の決断だったことを強調した。「つらい判断を下さないといけない時がある。今朝は、非常につらかった。ただ、これがチームにとってベストだと思う」。マドン監督に対する気持ちや心境を問われ、言葉に詰まる場面もあった。一方で、複数の米メディアは、データ型野球を重んじる球団フロントとマドン監督との間に意見の食い違いがあったことを報じた。

データ解析も駆使しながら、観察眼や経験も踏まえて采配を振るマドン監督。常識や固定観念にとらわれないスタイルが選手の潜在能力を開花させ、投打の二刀流でフル稼働した大谷翔平投手の起用を生んだ。就任3年目、道半ばでの電撃解任。ミナシアンGMは「彼の責任ではない。全員に責任がある」としながら、「我々は今、試合に勝つことが必要な位置にいる」と理由を説明した。

5月15日の時点で、貯金は最大11あった。12連敗が最大の要因とはいえ、借金は2。8年ぶりのプレーオフ進出へ好発進できたからこそ、これ以上は負けられない。「変化が必要な時」と、同GMがかじを切った形だ。大谷がエンゼルスに入団して以降、シーズン序盤は快調でも、主力の故障や投手陣の崩壊で結局、プレーオフ進出を逃してきた。今季も、5月中旬まで好調だった。だが、同じ繰り返しは出来ない。3度の最優秀監督に輝いた名将も、結果が求められる世界の波にのまれた。【MLB担当=斎藤庸裕】