19日に行われた立ち技格闘技イベント「THE MATCH 2022」(東京ドーム)で、K-1王者武尊(30)との“世紀の一戦”を判定5-0で制したRISE王者那須川天心(23)が20日、一夜明けても覚めやらぬ興奮を語った。

那須川は緑色のチェックスーツに身を包んで登場すると、冒頭で一睡もできなかったことを明かした。「初めてです。この興奮、この感じを冷ましたくないなというのがあって。僕の中ではまだ6月19日です」と、充血気味の目を細めた。

自身の試合については「見ました。いろんな人にあいさつしに行ったらずっと流れていた。ダウン取ったシーンで言えば、500回くらい見たんじゃないですか」と明るく振り返った。

1回にカウンターの左ストレートをさく裂しダウンを取った。「絶対にパワーだったら武尊選手には勝てない。大きく振るというのは意識せず、来たところにコンパクトに、針の穴に糸を通す意識で打ちました」と作戦がはまったことを明かし、「そこを修正するトレーニングはずっと父親とやっていました」と胸を張った。

今回の大会は自身のカードも含め、RISEとK-1の対抗戦が中心の構図となった。それでも「どっちが強かったとか、そういうのではないと思う」ときっぱり。「選手のみんなががんばって、そうじゃないものが生まれたと思う。僕の友達も身内も、武尊選手のことを応援したくなったとか、K-1を見たくなったという人もいるので」と、相乗効果を喜んだ。

ライバルへの感謝を最後まで忘れなかった。「勝って、計量と同じ場所に違った感覚で戻ることができて非常にうれしい。東京ドームという大舞台で、武尊選手という最高の素晴らしい選手に勝つことができてほっとしています。感謝しかないです」と振り返っていた。