高校野球の強豪・私立開星高校(松江市)の前監督(44)ら指導者の男性教職員3人が部費を私的に流用していたことが13日、関係者への取材で分かった。3人は保護者の求めに応じて約300万円を返済し、前監督は3月末で退職。現在も同校で教員の前部長と前副部長が関与していたとみられる。

同校は甲子園に2017年夏まで春夏合わせて計13回出場。プロも輩出している。

関係者によると、流用があったのは18年8月~20年3月で、前監督ら3人が私的な飲食や交遊費などに使っていたとみられる。部費は部員の保護者から月1万円徴収。前監督らは保管口座から下ろした現金3万円を常時、部室に置いておき、自由に使えるようにしていたという。

さらに、部費とは別に遠征費も随時徴収していたが、部費と遠征費から二重に経費を引き落とし、浮いた分を隠し口座にプール。架空の領収書を入手するなどして決算書のつじつまを合わせていたが、3月の指導陣交代に伴う会計チェックで発覚した。

実際に流用された金額は300万円よりも多いとみられるが、保護者側は前監督らと示談で合意した約300万円が返済されたことから、警察への被害届などは見送る方向。

前監督は取材に対し「口座の管理などは、会計を担当していた副部長に一任していた。部費を一部私的に利用したのは事実で、申し訳ない」と話した。学校側は「コメントできない」としている。(共同)