大相撲で新型コロナウイルスの集団感染の可能性が出てきた。高田川部屋の師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)と、弟子の十両白鷹山の感染が25日、明らかになった。ほかにも所属部屋が明らかにされていない幕下以下の若い衆4人の感染が判明。5月24日に初日を迎える夏場所(両国国技館)の開催がさらに危ぶまれる事態となった。
相撲部屋は密閉、密集、密接の「3密」のリスクがつきまとう。稽古場には力士がひしめき、ちゃんこを囲んで食事をともにする。若い衆は原則、大部屋で共同生活だ。3月の春場所中から、力士らに不要不急の外出自粛を求めてきた日本相撲協会は、さらに今月から接触を伴う稽古の自粛や、食事を取る間隔を空けるよう各部屋に要請し、3密の回避に全力を挙げてきた。
最初に感染が判明したのは今月10日で、幕下以下の力士だった。発症から2週間以上がたち、他への感染が確認されないことから、各部屋の師匠の判断でぶつかり稽古などが行えるようになりつつあった。その矢先の感染判明となった。
これを受け、八角理事長(元横綱北勝海)は力士らが接触しない形での稽古の継続を要請。さらに、「買い物はなるべく小人数で取りまとめ、レベルを上げた予防対策を実施してほしい」と各部屋に通達した。
報道陣の代表電話取材に応じた芝田山広報部長(元横綱大乃国)は、夏場所について「こういう状況なので専門家の意見を踏まえつつ、慎重に検討したい」と話した。
27日の夏場所番付発表は予定通り行い、5月初旬をメドに開催の可否について協会幹部らで話し合う見通しだ。角界内でさらなる感染拡大の恐れがあり、稽古もまともにできない中で、厳しい決断を強いられることも考えられる。(浜田慎太郎)
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2020-04-25 09:39:00Z
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