会心のギータ弾で決着だ。ソフトバンク柳田悠岐外野手(35)が値千金の2号サヨナラ3ランを放った。「久々に…。こんなに興奮しました。ありがたいです。野球やっててよかった」。ダイヤモンドを周回し、最後は仲間が歓喜する輪へ飛び込んだ。チームメートからの容赦ない手荒い祝福も心地よかった。

あと1死でドラマは生まれた。2点を追う最終回2死一、二塁。「つなごうと思って。必死に。ヒットを打ちたいなと思っていた。奇跡です」。1ボールからの2球目。西武アブレイユ内角直球を仕留め、打球は鷹党一色の右中間テラス席へ。一振りで試合を決め、3試合連続サヨナラ勝ちは南海時代だった61年以来。実に63年ぶり2度目の快挙となり、チームも今季最長6連勝とした。小久保監督は「映画でもくさすぎるくらいの展開でしたね。ちょっと興奮し過ぎて声が出なくなった」。

節目の1勝でもあった。1989年(平元)福岡に本拠地構え、これで記念すべき2500勝目となった。柳田は「今まで積み上げられた先輩方の数字だと思うので。これから1勝ずつ増やしたいなと思います」。今季はここまで全23試合「3番」で先発出場する。打率3割2分6厘はリーグトップ。2本塁打、21打点と今年36歳のチーム最年長野手は衰えを感じさせない。「しっかり自分にムチを打って」と笑った。

「みずほペイペイドーム」名称変更後は劇勝続きで、チームも2カード連続で3連勝。貯金も今季最多「11」とした。4年ぶりのV奪回へ、タカの勢いが止まる気配がない。【佐藤究】

▼ソフトバンクが27、28日に続いてサヨナラ勝ち。3試合連続サヨナラ勝ちは17年DeNA以来16度目のプロ野球タイ記録。ソフトバンクでは南海時代の61年以来2度目。今回のような同一カードでは78年ヤクルト、97年日本ハム、08年阪神、17年DeNAに次いで5度目になる。柳田のサヨナラ本塁打は20年7月10日楽天戦以来6本目だが、そのうち3本が逆転。逆転サヨナラ本塁打を3本以上打ったのは11人目(最多は中村紀の4本)で、ソフトバンクでは初めて。

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