止まらなかった。
あの手この手で状況を打開してきた中京学院大中京・橋本哲也監督だったが、この日は効力を欠いた。
準決勝第2試合、中京学院大中京は準々決勝戦で17得点を挙げて勢いに乗る星稜打線を相手に次々と投手を送り込んだが、9失点を喫し0-9で涙を飲んだ。
「守りで仕掛けていかないと流れを呼び戻せないかなと思って早い回でつないでいきましたが、星稜さんはミスショットがなかった。本当に脅威でした」
橋本監督は、相手打線を称賛するしかなかった。
試合の流れを継投で変える、という発想。
とはいえ、今大会の彼らの戦いぶりは、甲子園に1つのメッセージを与えた。
それは、投手交代で流れを引き寄せる采配を全国に見せつけたことだ。
今大会の中京学院大中京は、エースの不後祐将が全試合に先発した。ゲームメイク能力に長けたエース左腕は、ほとんどの試合で自分の仕事をまっとうするピッチングを見せた。
ただ、2回戦で北照、3回戦で東海大相模と強敵続きだった中京学院大中京は常に先手を取って戦えていたわけではない。2、3回戦はともに投手戦となったが、相手に先手を取られる苦しい展開だった。
だが、橋本監督はその劣勢の状況から、継投策で流れを変えたのだ。
北照戦では、6回2死から先制点を許したところで、長身右腕の赤塚健利にスイッチ。赤塚は2回3分の1を1失点で抑え、逆転した後はクローザー役の元謙太に繋いだ。
東海大相模戦では勝ち越しを許した6回途中から右サイドスローの村田翔を投入したが、苦しまぎれではなかった。状況を見極めての人選だったのだ。
橋本監督は言う。
「短期決戦ではワンポイントなどの継投が必要になってきます。相手の打線のタイプと流れと得点差、そういうことをいろいろ考えています」
https://number.bunshun.jp/articles/-/840457
2019-08-20 08:30:00Z
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