情熱と冷静の「汽水域」にいるような監督だ。
明石商の狭間善徳のことである。
準々決勝の八戸学院光星戦は終盤までもつれる展開になった。狭間は終盤、ピンチを脱するたびに、両足ジャンプでベンチから飛び出し、着地するやいなや地面すれすれのところから右拳を突き上げる。
「ガッツポーズし過ぎて、腕が痛いですわ。今日の試合前も(大会本部から)前へ出過ぎですよ、って注意されてたんですけどね」
一方で、投手起用に関しては実に慎重であり、戦略的だ。
3回戦の宇部鴻城戦、甲子園2戦目にして、狭間はプロ注目の2年生エース・中森俊介をさっそく温存した。
「初戦のあとの疲労度も見て、決めていた。この試合は1球も投げささん、と。他の選手には『1回くらい楽させたれ』と言ってました。それで負けたら、それがうちの戦力やったゆうことですよ」
報道陣も相手校も中森先発を予想。
2回戦から中6日空いた準々決勝の相手は、3戦連続で2ケタ安打をマークしていた強打の八戸学院光星だ。報道陣も光星サイドも、当然、中森を先発に立ててくるものだとばかり思っていた。ところが先発は3回戦に続き、左腕の杉戸理斗だった。
3回戦後から、記者が中森の先発前提で質問を繰り返す中、狭間は「次も杉戸なんやけどな……と思っとった」と笑う。
「今日は(中森は)投げても2、3回と決めてました」と言う通り、中森は7回2アウト三塁のピンチでようやく登場。以降、自己最速となる151キロをマークするなど迫力満点の投球で無失点に切り抜け、7-6で勝利をもたらした。
https://number.bunshun.jp/articles/-/840404
2019-08-18 06:30:00Z
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