(セ・リーグ、阪神9-1中日、23回戦、阪神13勝10敗、28日、甲子園)ブルペンデーだった阪神は、藤浪晋太郎投手(26)が“先発”して4回1失点(自責0)と試合を作り、9-1での4連勝に貢献した。矢野燿大監督(51)は、次回登板での先発本格復帰を明言。7人のリレーで中日打線を3安打に抑え、最後は今季限りでの現役引退を表明している藤川球児投手(40)が締めた。2位中日と1ゲーム差に迫った。
四回2死。木下拓を空振り三振に仕留めた藤浪は、まだ投げられる-と言わんばかりに、おどけた表情をみせた。
「やっぱり先発がしたいという気持ちが強い。試合の最初から投げるのは久しぶりだったので、よかったと思います」
「ブルペンデー」で9月13日の広島戦(甲子園)以来の先発マウンドに上った。4回76球を投げて2安打1失点(自責0)、6奪三振。「変化球でもカウントを取れたし、(最速158キロの)直球で空振りも取れて、落ちついて投げられた」と自画自賛だ。
立ち上がりは制球に苦しんだ。一回1死から京田に二塁打。木浪の一塁悪送球と内野安打などで迎えた2死満塁のピンチ。福田にカウント3-1から投じた外角低めをボールと判定されて押し出しの四球となった瞬間、両手を挙げて不服そうな表情をみせたが…。
「テンパら(気持ちに余裕がなくなる)なかったことが、最少失点につながったかな、と」
二回以降は制球が安定。三回は阿部を見逃し三振、ビシエドを遊ゴロ、高橋を空振り三振に仕留めると、四回も三者凡退。中継ぎで奮投したことで「より配球を考えたり、いろいろと勉強したことが生きたと思う」と振り返った。
先発で結果を出せず、2軍調整していた9月下旬にチーム内にコロナ禍が広がった。緊急昇格し、中継ぎで13試合に登板して防御率2・35。数字以上の収穫を得た。
最後は引退を発表した藤川が締める今季最多タイの投手7人リレーで、中日に3年ぶりのシーズン勝ち越し。負ければ優勝の可能性が完全消滅する状況になってからの4連勝で、2位中日に1ゲーム差と迫った。きょう29日も勝てば2位奪回。そんな状況で、矢野監督は藤浪の次回登板について「先発で行こうかなと思います」と明言した。
「本人もやりたいだろうし。スケールの大きい投手なので、先発で投げるのが、目指すところなのかなと思う」
中6日なら11月4日のヤクルト戦(甲子園)の先発が有力。藤浪は「(今季)最後になると思う。来季につながるような投球ができたら」。2020年ラスト登板を、弾みとする。(三木建次)
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2020-10-28 20:03:00Z
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