令和4年、4月10日午後4時30分48秒。20歳5カ月と7日のロッテ佐々木朗希投手(20)が、西日のマリンで史上最年少の完全試合を達成した。「あまり実感はないんですけど、すごくたくさんの選手におめでとうと言ってもらえて。うれしかったです」。帰ってから浸ります-。そう付け加えた。
大記録。手を広げ、後ろを向いた。影を伸ばし、白い歯がこぼれる。右手を左手にぶつけて感情を示し、捕手松川とこぶしを重ねた。ネット裏は4階席まで立ち上がって拍手喝采。皆、今は隣同士でも距離を置くべきと知っている。それでも知らないファン同士が感情を共有する。目撃者として、語り継ぐために。
161キロの1球目で生まれたざわつきは、2時間半の単なる序章だった。初回の3番吉田正から5回の西村まで、13者連続K。「しっかり松川を信じて投げられたことと、特に三振は狙っていないので、しっかりバックを信じて投げることができたからかなと思います」。午後2時52分40秒、10連続Kの日本新記録で、スタジアムの興奮はもう止められなかった。
甲子園のかかった試合、投げなかった。プロ1年目も投げなかった。いろいろ聞こえる。「その時は自分としては…言い返すのもムダですし、そっちに集中するのもムダなので。自分のやるべきタイミングや出番はあると思うので、その時までコツコツやり続けると」。涙の岩手大会決勝から990日。これ以上の答えはあるだろうか。
昨年の秋より5キロ前後、平均球速が上がった。腕の振りは同じままなのか、出力を上げたのか。「同じ振りです」と言う。「ここまで地道にトレーニングしてきたので、少しずつですけど成果として表れてきてくれてるかなと」。この日の直球の平均球速は159・8キロ。それでいてストライク率は78・1%を誇る。経験豊富なプロの打者たちでも対応できなかった。
試合後には報道陣の質問に丁寧に答えながら、右手指の付け根をほぐしていたわった。シーズンは長い。「1年間、こう、長く投げて、何年もそれを続けられるような投手になりたいと思うので。この1試合に終わらず、いいピッチングを長くできるような投手になりたいなと思っています」。まだ20歳。この先、何を塗り替え、何を打ち立てていくのだろう。13連続奪三振の金字塔を自ら塗り替える自信は?
「いやぁ、もう大丈夫です、はい」
こんな言葉を聞いたって、そう簡単には信じられない。【金子真仁】
<佐々木朗希の歩み>
◆01年11月3日 佐々木家の次男として岩手県で誕生。
◆11年3月11日 東日本大震災で被災。父と祖父母を亡くす。
◆13年12月7日 少年野球大会「リアスリーグ」でマリンで登板。
◆16年7月10日 Kボール選抜「オール気仙」で県大会優勝。
◆17年7月8日 大船渡1年夏に147キロの衝撃デビュー。
◆19年4月6日 U18高校日本代表候補合宿で163キロマーク。
◆19年7月21日 岩手大会4回戦盛岡四戦で160キロをマーク。
◆19年7月25日 甲子園をかけた岩手大会決勝で登板せず敗退。
◆19年9月6日 W杯韓国戦に先発し1回降板。高校最後の登板。
◆19年10月17日 ドラフト会議で4球団1位競合の末にロッテへ。
◆19年11月30日 背番号17でロッテと仮契約。12月に入団会見。
◆20年2月13日 プロ入り後初ブルペンで関係者たちの度肝抜く。
◆20年5月26日 シート打撃で160キロも1年目は実戦登板なし。
◆21年3月12日 中日とのオープン戦でプロ入り後初の実戦登板。
◆21年5月8日 イースタン・リーグ楽天戦で2軍でプロ初勝利。
◆21年5月16日 西武戦で1軍デビュー。
◆21年5月27日 甲子園の阪神戦でプロ1勝。
◆21年6月24日 ZOZOマリンのソフトバンク戦でプロ初黒星。
◆21年9月10日 楽天田中将と投げ合うも勝敗つかず。
◆21年10月23日 ZOZOマリンの日本ハム戦で自身初の2桁奪三振。
◆21年11月6日 CSファーストステージの楽天戦で先発。
◆21年12月17日 1400万円増の年俸3000万円で契約更改。
◆22年3月27日 楽天生命パークの楽天戦で自己最速を更新する164キロ。
◆22年4月10日 完全試合達成。プロ野球新の13者連続奪三振。同タイの1試合19奪三振。
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2022-04-10 12:00:00Z
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