B組の首位決戦、2位オーストラリア(FIFAランキング34位)-1位サウジアラビア(同49位)は、0-0の痛み分けに終わった。前半は枠内シュート0本と低調な内容だったが、後半はGKの活躍もあり、白熱した試合を展開した。オーストラリアにとっては国内で行う約2年ぶりの国際試合だったが、ホームのサポーターに勝利を届けることはできなかった。

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降りしきる雨の中、勝者は生まれなかった。試合終了のホイッスルとともに、がっくりとひざに手を当てる選手、味方と抱擁する選手…スコアレスドローの受け止め方もそれぞれだった。ただ、B組13試合目で初の引き分け。それだけ両者の実力は拮抗(きっこう)していた。

前半は互いにほとんど決定機をつくれず、枠内シュートは0本。後半は一転、手に汗握る展開となった。最初に流れをつかんだのはホームのオーストラリア。後半14分、ロングボールにエリア内で抜け出したFWレッキーがフリーでシュートを放ったが、サウジアラビアGKヤミが左手1本で阻んだ。同20分にはオーストラリアがゴール正面でFKを獲得。南スーダン難民のFWマビルが直接狙ったがGKにはじかれ、こぼれ球を拾ったMFボイルのシュートもヤミが右脚1本で防いだ。

オーストラリアにとって、特別な一戦だった。渡航制限や隔離期間の関係で、6月のW杯アジア2次予選、9月と10月の同最終予選は、クウェートやカタールといった中東諸国でホームゲームを行った。国内での代表戦は新型コロナ流行前の19年10月以来、約2年ぶり。スタンドはほぼ満員のようなにぎわいを見せ、黄色いユニホームをまとったオーストラリアのサポーターが埋め尽くした。

ただ、最後まで得点は奪えなかった。後半30分のFWファラジのシュートをきっかけに、今度はサウジアラビアがたたみかけた。同36分、中盤のS・ドーサリーが放ったシュートはGK正面。続く39分にはファラジの左クロスにゴール正面でFWシェハリがヘディングで合わせたが、ボール1個分右にそれていった。互いに1点を取りに行ったが、あと1歩届かなかった。

この引き分けにより、B組上位に順位変動はなかった。サウジアラビアは無敗を継続し、オーストラリアも黒星を1つにとどめた。いずれにせよ、日本にとって負けられない戦いが続くことに変わりはない。