Senin, 22 November 2021

中国テニス選手の安否 「お得意様」にIOC及び腰、当局は沈黙 - 毎日新聞 - 毎日新聞

北京で開かれたイベントに姿を見せた彭帥さん(中央)=21日、ロイター共同
北京で開かれたイベントに姿を見せた彭帥さん(中央)=21日、ロイター共同

 中国の元副首相から性的関係を強要されたと告発した中国の著名テニス選手の彭帥(ほう・すい)さん(35)の安否を巡り、世界中から疑念の声が湧き起こっている。これまで静観を続けてきた国際オリンピック委員会(IOC)も、説明を避けてきた中国側も来年2月の北京冬季五輪への悪影響を懸念し、事態の早期幕引きに乗り出した。

「世の中の反応を見て焦った」IOC

 ビデオ通話を介して笑顔の彭帥さんと語り合うIOCのトーマス・バッハ会長の姿が21日、IOCの公式ホームぺージに公開された。彭帥さんの安否は世界的な関心事となっていたが、IOCは「沈黙」を続けてきただけに、唐突にすら映った。日ごろIOCと交渉にあたる日本オリンピック委員会(JOC)関係者は「世の中の反応を見て焦ったのではないか。北京冬季五輪もあるので、これ以上騒ぎを大きくしてほしくなかった」とみる。

 IOCは、彭帥さんが「北京の自宅で安全、元気に暮らしているが、今はプライバシーを尊重してほしい」と話しているとして、性的暴行の訴えに触れることはなかった。「問題なし」を強調して早期に沈静化を図る狙いは明らかだった。

 発端は2日、テニスのダブルスの元世界1位で、2度の4大大会優勝を誇る彭帥さんが短文投稿サイトの微博(ウェイボー)に、中国共産党最高指導部メンバーだった張高麗元副首相から性的関係を強要されたと告発する文章を投稿したことだった。即座に削除されたがインターネット上で拡散。その後、連絡が取れなくなった彭帥さんの安否を懸念する声が高まった。

 テニス界からは大坂なおみ選手らアスリートに加えて、ツアーを統括する女子テニス協会(WTA)も公正な調査を求める声明を出した。さらに、うねりはスポーツ界にとどまらず、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)や米ホワイトハウスの報道官も所在確認や安全確保などを訴えた。

 世界の平和と友好を掲げているはずのIOCだが、中国への対応には及び腰だった。中国は北京五輪の開催国であり…

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2021-11-22 12:09:50Z
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