<阪神1-5広島>◇20日◇甲子園
今季限りで現役引退する阪神藤川球児投手(40)が、約2カ月ぶりの1軍マウンドに上がった。8月10日DeNA戦以来の1軍登板に臨み、1イニングを1安打無四球無失点に抑えた。
「現状、試合でできることはしっかり登板を頑張ってチームを元気づける、勇気づけたりとか、そういう役割もあると思う。投げられる限りは頑張っていきたいと思います」。全12球のうち11球が直球。最速は147キロだった。
5回裏が終了してグラウンド整備が始まると、一塁側アルプスの観客が一斉に右翼線通路付近の金網に集まる。藤川の名前がコールされると、甲子園は大歓声に包まれた。
5点ビハインドの6回表に登板。先頭の7番三好は2ボール1ストライクから147キロ直球で左前に運ばれた。無死一塁となり、8番上本は2ボール1ストライクから146キロで詰まらせて遊直。一塁走者三好が飛び出し、併殺打となった。二死無走者となり、9番九里は146キロ直球で見逃し三振。降板時、割れんばかりの拍手にグラブを上げて応えた。
登板後は「やっぱり試合が始まると(歓声は)聞こえないですね。なんか、マウンドに近づいていくと聞こえなくなりますね。段々スイッチが入るように。習慣ですね。マウンドは普段の自分ではないので、いくら歓声を感じようと思っても消えますね」と苦笑いした。
藤川は日米通算250セーブに残り5セーブまで迫りながら、右上肢のコンディション不良で8月13日に出場選手登録を抹消された。8月31日に引退を発表後も2軍で調整を続け、10月15日に1軍復帰。11月10日の引退セレモニー開催が決まっている。今後に向けて「最後にまた上がっていけるように、いいモノを見せられるように頑張っていきたい」と力を込めた。
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2020-10-20 12:26:09Z
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