北海道の小さな牧場から始まったシンデレラ物語が、歓喜の瞬間を迎えた。18日に京都市伏見区の京都競馬場で開催された秋華賞(GI)で勝利を飾り、デビュー以来5戦全勝で史上初の無敗
この日、北海道日高町の長谷川牧場では、牧場主の長谷川文雄さん(69)がテレビ中継でレースを観戦。三冠が決まると長谷川さんは「こんな小さい牧場から生まれた馬が、よく三冠を取ってくれた」と涙をにじませた。
1948年開場の長谷川牧場がサラブレッドの生産を始めたのは約30年前。2代目の長谷川さんと妻の律子さん(69)、母親とパート従業員の4人で営んできた牧場で、毎朝4時に馬に「おはよう」と声をかけ、強い競走馬を作るために、餌になる牧草が育つ土壌や、餌そのものの改良に取り組んだ。しかし、昼夜分かたず働いても家族経営では限界がある。中央競馬のGIレースで勝てる馬を作ることは「夢のまた夢」だった。
2017年の生産頭数はわずか5頭。その中の小さな牝馬がデアリングタクトだった。「普段は(足元が)フラフラしているけど、こちらが危ないと思うほど跳びはねていた。賢くて、でもそんなに走るとは思いもしなかった」と長谷川さん。
競走馬は血統や父母の実績などが重視される。デアリングタクトの父はGIで2勝しているが、母はレースで1勝もしていない。そのため長谷川さんらが0歳で売りに出した時は落札されなかった。「悔しさもあったけど、仕方ない思いも強かった」。育成施設で馬の体を鍛え、翌年、1200万円で買われた。同じ競りで落札された1歳馬の平均額は約4600万円。1億円超の買い取り額も珍しくない世界では目立たない存在だった。
牧場を離れてからも、長谷川さんらは勝利を重ねる姿を見守ってきた。「いつも最後の直線で羽が生えて飛んでいるかのように追い込んでくる。孝行娘です」
海外から血統に優れた繁殖牝馬を集める大手グループの生産馬が多くのビッグタイトルを手にする時代。デアリングタクトは押され気味の中小の牧場が多い馬産地・日高にとっても希望の星だ。長谷川さんは「日高も盛り上がるし、これからも大舞台で羽ばたいてほしい」と期待を膨らませた。
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2020-10-18 22:31:49Z
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