さくらに衝撃-。ホッケー女子の日本代表「さくらジャパン」のアンソニー・ファリー監督(47)が東京五輪を9カ月後に控えて退任することが21日、わかった。

10月末の契約満了に伴うもの。また米国の統括団体であるUSAフィールドホッケーは、同氏が米国女子代表のヘッドコーチに就任することを発表した。

ファリー監督はオーストラリア出身で17年5月に代表監督に就任した。18年ジャカルタ・アジア大会でさくらジャパンを初優勝に導くなど卓越した手腕を発揮。東京五輪での目標には「金メダル」を掲げていた。

しかしコロナ禍で東京五輪が延期になったことで状況が変化した。今年10月で切れる契約を更新する必要が出てきた。4月には「個人的には、チームのメンバーと一緒にもう1年過ごすことができて、本当に楽しみにしています」と話していたが、8月末に家族とともにオーストラリアに帰国。当時は日本に再入国ができない状態で、今後の指導が流動的な状況となった。

日本ホッケー協会関係者は「万が一に備えて、後任の選定には入った」という。結果的にファリー監督は契約満了に伴って、日本代表監督を退任する。その手腕を高く評価した米国女子代表の指揮をとることになった。日本協会関係者は「11月以降のことは(契約なので)我々が関知するところではありませんが、米国女子代表は寝耳に水でした」とした。代表強化に空白ができないように後任監督を早急に選定する方針だ。

USAフィールドホッケーはこの日「彼は成功の素晴らしい実績を築いており、ヘッドコーチとして豊富な経験を持っている」とコメントを発表。ファリー監督も「このような質の高いプログラムで働く機会を与えられたことは、大きな名誉です。選手の可能性はとてもエキサイティングで、本当に楽しみにしています」とコメントしている。