中日の大野雄大投手(32)が、連続イニング無失点の球団記録を64年ぶりに更新した。36回連続無失点で先発したDeNA戦は、5回2死も無失点でクリア。56年に大矢根博臣が記録した40回1/3を超えた。

初回、いきなり神里に右前打を許した。だが、2番大和を三振。二盗失敗もあり、3人で抑えた。2回は4番オースティンをフォークで空振り三振、蝦名からはツーシームで3球三振を奪うなどペースが上がり、3回も2奪三振。序盤は打者9人で封じた。

4回、先頭の神里に再び右前打を許すものの、大和を投ゴロ併殺。続く3番ソトに初球を捉えられ、右翼へ大飛球を運ばれた。場内がどよめく中、打球はわずかにポールの右を通過。マウンドで苦笑いを浮かべた左腕は結局、投ゴロに仕留めて40回に到達した。

迎えた5回。先頭オースティンに右前打を許すが、5番宮崎を投ゴロ併殺。この瞬間、球団記録を更新した。続く蝦名も三振。5回まで3安打で無失点を継続した。

登板前、連続無失点記録に対する考え方を明かしていた。

大野雄 だれかがそういう記録に挑戦しているときはかわいそうだな、と思って見ていた。いい記録なのは間違いないので周りがいろいろ言うのは当たり前だけど、本人としてはそんなに意識していない。そこにこだわりはない。1点を怖がって複数失点がアカンというのがすべて。チームが勝つことの方が大きい。意識すると落とし穴がある。今まで通りの投げ方をすれば、結果がついてくると思う。

初回に4失点して敗戦投手となった9月15日広島戦の2回から、記録は始まった。以降、4試合中3完封。相手に得点を与えない投手として1カ月以上、マウンドに立ち続けた。この間、奪三振に加えて、防御率でもリーグトップに躍進。チームをAクラスに浮上させるだけではなく、リーグを代表する左腕としても存在感を発揮した。