明治安田生命J1第21節 神戸1-0磐田 ( 2022年7月9日 ヤマハ )
一瞬、不穏な空気が流れた。0―0の後半19分、神戸FW大迫勇也と交代した元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(38)の行動だった。交代を告げられてピッチを後にする際、左手を挙げながら激高。左足でモノを蹴った。6試合連続途中交代。勝利した試合後には珍しく、取材にも応じなかった。怒りの矛先がどこに向いていたかは不明。だが周囲は理解を示した。
吉田孝行監督は「彼はその後もベンチに来てチームを鼓舞していた。そこも含めてコミュニケーションは取っている」。DF酒井高徳も「交代させられて喜ぶ人はいない。それ(怒り)はサッカー選手としてあるべき姿で、当たり前の反応ですね」と擁護した。チーム内に、わだかまりはないと強調した。
事実、この日のイニエスタはキレていた。前半9分には左サイドからFW武藤嘉紀へ絶妙なスルーパスを通した。オフサイド判定にはなったものの、同15分にも前線へのフィードからMF山口蛍の“幻弾”を演出。さらに同21分、後半8分は汰木とのコンビネーションから得点チャンスを生み出した。大雨に見舞われながらも卓越した技術で、何度も“魔法”をかけ続けた。
温和な受け答えが身上だが、元来は負けず嫌い。この怒りは次戦・鹿島戦(16日・カシマ)でぶつけるしかない。暫定的にJ2自動降格圏を脱出したものの、まだ予断を許さない状況。チームを4連勝に導くことがイニエスタには求められる。
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2022-07-09 21:00:00Z
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