世界52位の西岡良仁(25=ミキハウス)が、同22位で第19シードのフェリックス・オジェアリアシム(カナダ)を7-5、6-3、6-3のストレートで下し、2年連続で初戦を突破した。前日の27日は25歳の誕生日だったが、幸先良く金星スタートとなった。次戦では、主催者推薦で同239位のウーゴ・ガストン(フランス)と対戦する。杉田祐一(三菱電機)は第28シードのカスパー・ルード(ノルウェー)に1―6、3―6、1―6で敗れた。

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西岡が持ち味の変幻自在のプレーで、20歳の躍進著しい若手を完全にはめた。パワフルな相手に対し、攻守の組み合わせに緩急の出し入れでミスを誘発。時にはカウンターで攻めに転じ、相手に主導権を渡さなかった。雨で開始が約2時間遅れたが、集中力を切らさず完勝。「勝てて本当にうれしい。自分のやりたいプレーができた」。勝利の瞬間、左手でガッツポーズし歓喜の雄たけびを上げた。

大会前の赤土の前哨戦に3大会出場し、1勝3敗。「前哨戦の球が重くて(飛ばなかった)」、なかなか調子が上がらなかった。しかし、この日は感覚が戻ってきた。今大会の球は軽めで飛ぶため、「フルスイングしても入ってくれる」。ベースラインから下がっても、ラケットを振り切れば、相手コートに収まる。守っても攻めても、西岡の球が面白いように決まった。

前日の27日は、25歳の誕生日だった。自身のSNSにお菓子の写真とともに「良い25歳にしたいと思います。応援お願いします!」とコメントした。その言葉どおり、25歳を金星とともに、最高のスタートを切った。

◆全仏オープンテニスは、9月27日から、WOWOWで連日生中継。また、WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信予定。