優勝争いは千秋楽にもつれ込まれた。返り入幕場所で単独トップに立つ照ノ富士が、関脇正代に負けて2敗に後退した。2敗の新大関の朝乃山と平幕の照強による結びの一番を待たずして、照ノ富士の優勝はお預けとなった。

結びの一番で新大関の朝乃山は、平幕の照強に足取りで敗れて3敗に後退した。関脇御嶽海は、平幕の琴恵光を下して3敗をキープ。これにより優勝争いは2敗の照ノ富士を、3敗の朝乃山、正代、御嶽海が追う展開となった。照ノ富士は千秋楽に勝てば優勝が決まる。

照ノ富士が優勝すれば、初場所の徳勝龍以来、史上3人目の幕尻優勝、30場所ぶりの優勝は歴代2位のブランク優勝、大関経験者が関脇以下で優勝を果たせば、昭和以降では1976年秋場所の魁傑以来、2人目など、記録的優勝となる。序二段から史上初の再入幕を果たした大関経験者が、劇的優勝を目指す。朝乃山も史上9人目の新大関優勝を信じて、千秋楽の土俵に上がる。

初場所で初優勝を逃した正代、昨年秋場所以来3度目の優勝を狙う御嶽海の両関脇も賜杯を狙う。