悲願に向け、生涯最高の仕上がりだ。上半期を締めくくるグランプリ「第61回宝塚記念」の追い切りが24日、栗東、美浦トレセンで行われ、ファン投票3位のサートゥルナーリアが坂路で抜群の加速力を披露。G1・3勝目へ向け、態勢を整えた。鞍上クリストフ・ルメール(41)は今年上半期のG1を3勝。宝塚記念初Vへ、意欲を燃やした。枠順は25日に決定する。
サートゥルナーリアの特長が凝縮され、それは宝塚記念を勝つための条件に全て合致していた。完璧な坂路追いだった。
小滝助手を背に単走。最初の200メートルを14秒5とゆっくり入る。次の200メートルでいきなりギアを上げた。12秒9、そして11秒7。ラスト200メートルは12秒2と余裕を持ってスピードを持続した。最後まで手応えは楽なままだった。「いい時計で上がってきた。いい競馬ができそうだ。これが古馬の風格。馬の形が変わってきた」(角居師)
24日の栗東坂路でラスト400メートル24秒を切ったのはこの馬だけ。全体時計の51秒3も5番目と優秀だ。宝塚記念が行われる阪神2200メートルは2度の急坂越えで直線も短い。勝つには素早いギアチェンジと急加速が欠かせない。狙いは100%クリアした。
まさに生涯最高の出来だ。17日の1週前追いも凄かった。CWコースでラスト200メートル11秒2。バネを利かせ、宙を飛ぶような脚さばきに報道陣は仰天した。小滝助手は「飛び出す絵本のような回転と伸びだった」と感嘆。騎乗したルメールは「気持ち良かった~。馬が大人になっていた」と笑顔だった。
ルメールはアーモンドアイで芝G1・8勝に挑んだ安田記念で2着。このまま上半期を終わらせるわけにはいかない。G1はフェブラリーS(モズアスコット)、天皇賞・春(フィエールマン)、ヴィクトリアマイル(アーモンドアイ)で3勝。4勝すれば武豊、安藤勝己、福永祐一に並ぶタイ記録。これは決めておきたい。「阪神2200メートルは難しいコース。レースのリズムと馬のポジションがとても大切。3、4角をスムーズに運ばないと勝てない」。もちろん、サートゥルナーリアは厳しい条件をクリアできると見込む。「今回はいい馬がたくさんいる。でも、チャンスはある。まだ勝ったことのないレース。勝ちたいね」。いまだ無観客競馬は続くが、おぼろげながら出口は見えてきた。忘れることのできない20年上半期。きっちり締めくくる。
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2020-06-25 04:02:42Z
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