打線の大幅組み替えも実らず、阪神が今季初の完封負けで早くも2度目の3連敗を喫した。左腕今永対策で糸井とボーアを外し、北條、大山、陽川ら右打ちの野手6人を並べたが、わずか5安打。貧打は深刻で開幕7試合で10得点、チームは1勝6敗の借金5で単独最下位を行く。起爆剤として、2軍で調整中の新外国人サンズを緊急招集。懸命の打開を目指す。

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貧打解消の出口が見えない。阪神が大幅に打線を改造して臨んだDeNA戦で今季初の完封負けを喫した。エース西勇輝が奮闘したものの勝利に届かず、矢野監督は「1点で負け投手ではなあ。西がかわいそうやし、野手の、打つ方の責任は明らかだと思います」。チームは早くも2度目の3連敗。借金は今季ワーストを更新して5となった。

打率3割3分3厘の糸井と、前日に二塁打を放つなど状態向上の兆しがあったボーアがベンチスタート。先発野手8人のうち6人が右打者のオーダーを組んだ。3番大山は昨年今永との対戦打率が3割3分3厘。今季初先発となった7番陽川も18年に3割3分3厘。6番に入った上本は昨年3割3分3厘だった。指揮官は「突破口というか、何かないかというところで。練習でいい感じで打っていた。こういうチャンスの中で変わってくれたらなというところではあった」。だが、期待は結果につながらず、今永の前にゼロ行進。終わってみればDeNA2投手に対し、長打なしの5安打無得点負けだった。

矢野監督は、昨年今永に10打数1安打だった糸井について「手術明けというところもある。こういう日もつくる方がいいだろう、と。(相性は)それは別に」。2月からの実戦で対左腕25打席23打数ノーヒットのボーアについては「左投手だから外すというわけではなく、陽川、悠輔だって今永にも相性いい。総合的に判断して」。昨年チーム打率2割6分6厘とセ本拠地の中で最も打っていた横浜スタジアムで、打線爆発といきたかったが、ゼロ行進が続いた。

7戦10得点。矢野監督は「サンズは呼ぶ予定だった。誰かが突破口を開いてくれないと。ちょっと点を取りたい」。打線テコ入れに開幕メンバーから外れて2軍調整を続けていたサンズの1軍昇格を明言。チーム打率1割9分3厘の現状打破へ、1日でも早く糸口をつかみたい。【松井周治】

▽阪神井上打撃コーチ「もちろん、マルテ、ボーアが打って盛り上がるのもいいけれど、やはり、生え抜きと呼ばれるような選手たちが打つことができれば、ガラッとこのムードも変わるだろうし、『俺がやる』というような、チームの火付け役となるような選手に早く出てきてほしい。そのサポートを俺たちも全力でやっていきます」

▼阪神が今季初の完封負けを喫した。開幕7試合で、チームの得点は12球団最少の10。これは同じ7試合消化時点でみると、1959年(昭34)の9に次ぐ歴代ワースト2位だ。昨季も同3位タイの14得点だったが、今季はさらに苦戦している。ただ、59年は小山、村山の投手力を軸に巻き返して2位に入った。昨季も3位に粘り込んだだけに。早めに立て直したい。