ア・リーグ エンゼルス9―3ホワイトソックス ( 2021年9月16日 シカゴ )
エンゼルス・大谷の最終打席は明らかな故意死球だと感じた。試合後、ホワイトソックスのトニー・ラルーサ監督は真っ向から反論したが、初戦に主力が死球を受けていたとしても、決して「狙って投げた」とは言えない。大リーグでは「Unwritten Rule」と呼ばれる、いくつかの「暗黙の了解」がある。報復死球もその一つで、チームの中心選手がターゲットにされることが多い。狙われたチームメートを守るためで「ぶつけたらやり返すぞ」とのメッセージが込められている。あの場面は9回2死で、6点リードされたホ軍の敗戦は決していた。しかもカード最終戦。「状況」はそろっていた。
ただ、故意死球にも「ルール」はある。相手打者の腰から下を狙うのが定石。選手生命の危険を及ぼしかねない肩より上への死球は乱闘に発展する。昨年5月、エ軍のトラウトがジャイアンツ戦で若手投手から報復と取れる投球を頭部付近に2球続け、問題となった。部外者だった当時レッズのバウアーは「頭に投げるのはやめろ。それをするなら球界を去れ」とツイートした。
今回、ライトが大谷に投じたのは膝下ばかりだった。報復死球は決して許されるものではないが、ルール内ならばベースボールの一部となっている。だから大谷も一塁塁上で笑みを浮かべ、マドン監督も努めて冷静だった。(笹田幸嗣通信員)
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2021-09-17 08:51:00Z
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