渋馬場巧者というより総合力で上回っていた
フルゲート28頭だった当時、21番人気のノアノハコブネが突っ込み、20番人気タイアオバが2着した波乱連続の時代があった。芝状態が良くなかった。2400mでバテ合いのようなレースがオークスだった。
だが、近年は違う。芝が良くなり強い牝馬続出の時代。とくに最近10年は、最速上がり3Fを記録した13頭(2頭タイの年が3回)の成績【7-3-2-1】。最速上がりで伸びた馬が7勝し、3着以内率92%。着外の1頭は、最速タイの馬が3着した17年の4着馬ディアドラなので、最近10年にかぎると、上がり最速馬が毎年馬券に絡んでいる。
オークスが春に行われるようになった1953年以降、浅いキャリアで勝ったのは2006年カワカミプリンセス、2019年ラヴズオンリーユー。ともに3戦3勝での挑戦だった。
今年のデアリングタクト【3-0-0-0】が人気に応えて勝つと、68年間で3頭目の快記録となる。キャリア、ローテーションを問わない時代ではあるが、2戦2勝で春のオークス2400m(1952年までは秋)を制した馬はまだ出現していない。この観点では、キャリア2-3戦の馬が人気になりすぎ「結果は波乱」の危険は大きくなっている。今年は2戦2勝馬もかなり人気。キャリア2-3戦の人気馬同士の結果はあるだろうか。
重馬場の桜花賞を上がり最速の36秒6(2位はクラヴァシュドールの37秒1)で差し切ったデアリングタクト(父エピファネイア)は、これで3戦連続上がり最速。重馬場で勝ったのは渋馬場巧者というより、総合力で上回ったからでもあった。
というのは、良馬場のエルフィンS1分33秒6の勝ち時計は、やがて2007年の日本ダービーを制するウオッカのエルフィンSの1分33秒7を上回るレースレコードであり、上がり3F34秒0は、あの時すでに4戦目のウオッカとまったく同じだった。良馬場のデアリングタクトは重馬場よりもっと強い可能性がある。
この爆発力は、クラシック勝ち馬として初だったサンデーサイレンス「4×3」の配合が関係する。今年の2歳世代からはサンデーサイレンスのクロスを秘める馬がさらに増えているので、多くの生産者が納得したことだろう。現代のサラブレッドは、サイアーラインがごく限られている近年、「サラブレッドであるためには近親交配は避けられない」とされる。でなければ、純血種ではないからでもある。
切れ味で見劣らないのは2戦2勝のデゼル。父ディープインパクト産駒は9年間でオークス4勝、2着4回。スイートピーS(東京1800m)の上がり32秒5は、勝ち馬としてレース史上飛び抜けた最速記録になる。ただ、ここ2戦スタートもう一歩。もまれる最内枠を引いたのは幸運とはいえない。1953年以降1番枠は【0-5-0-62】。危険もある。
伏兵は多いが、魅力はビシビシ追ってさらに上昇しているウインマイティー(父ゴールドシップ)。忘れな草賞の勝ち馬は、最近10年のオークスで3勝。牝系は2000年の勝ち馬シルクプリマドンナ、天皇賞(秋)のヘヴンリーロマンスの一族。ここでステイゴールド系の意外性を発揮して不思議ない。
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2020-05-23 09:00:00Z
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