J1リーグは28日、第31節を各地で行い、17位の湘南ベルマーレが首位のヴィッセル神戸と1-1で引き分けた。他会場で18位の横浜FCが敗れたため、湘南と降格圏の勝ち点差は「2」に広がった。一方、優勝争いは他会場で2位の横浜FMが勝利したため、神戸は勝ち点「2」差に詰め寄られた。
湘南はアウェー2連勝中で迎えるホームゲーム。MF田中聡とMF平岡大陽が2試合ぶりに先発起用された。対する神戸はMF山口蛍がベンチからも外れ、FW飯野七聖が右ウイングで先発。またDFマテウス・トゥーレルに代わって出場停止明けのDF初瀬亮も復帰した。[スタメン&布陣]
序盤の主導権を握ったのはホームの湘南。相手のSB裏にロングボールを蹴り込み、後ろ向きの対応を強いると、右サイドのDF岡本拓也が次々とフィニッシュの局面に顔を出す。一方の神戸も前半7分、FW大迫勇也のポストプレーからFW武藤嘉紀がミドルシュートを狙ったが、惜しくも枠を外れた。
そうして迎えた前半11分、湘南が先に試合を動かした。中盤の競り合いを制したDF杉岡大暉が中央にドリブルで持ち込み、ペナルティエリア前で左にスルーパスを送ると、これに抜け出したFW阿部浩之が中央に折り返しのパス。ゴール前に走り込んでいたFW大橋祐紀がワンタッチで押し込んだ。大橋は3試合連続ゴール。今季20試合目で11得点目となった。
その後も湘南が優位に試合を運び、前半16分にはMF池田昌生とのワンツーで抜け出した岡本のクロスから平岡が惜しいヘディングシュート。また同29分にはDFキム・ミンテのロングフィードを杉岡が頭で落とし、阿部のボレーシュートが右ポストを叩いた。神戸は同34分、武藤のクロスにMF佐々木大樹が合わせるも、湘南GK富居大樹がスーパーセーブ。湘南優位のままハーフタイムを迎えた。
ビハインドの神戸は後半開始時、飯野に代わってFWジェアン・パトリッキを左ウイングで投入。武藤が右サイドに回った。するとその後はパトリッキの推進力を猛威をふるい、戦況が一変。同6分、DF酒井高徳のクロスに合わせた大迫のヘッドが岡本のハンドを誘い、PKを獲得すると、これを大迫が決めて同点に追いついた。大迫は今季22ゴール目。得点ランキング単独トップをキープした。
神戸は後半17分、接触プレーで腰を痛めた佐々木に代わってCBのトゥーレルを投入。酒井がインサイドハーフ、初瀬が右SB、DF本多勇喜が左SBに回るスクランブル布陣となった。一方の湘南も同23分、運動量の多かった池田と平岡の両インサイドハーフを下げ、MF奥野耕平とFW鈴木章斗を投入。ストライカーの鈴木章がそのままインサイドハーフに入った。
その後は一進一退の攻防。湘南は後半30分、カウンターから岡本が右サイドをフリーで駆け上がり、ファーへのクロスを阿部が折り返したが、神戸守備陣に阻まれる。神戸は同38分、大迫のパスが相手ゴール前に流れ、これにパトリッキが抜け出すも、シュートはまたしても富居のスーパーセーブに阻まれた。
そうして迎えた後半アディショナルタイム、湘南に痛いアクシデント。空中戦で富居が負傷し、プレーを続けられなくなると、すでに交代枠を使い切っていたため、フィールドのDF大岩一貴がGKユニフォームでゴールを守った。だが、大岩はロングボールをキャッチするなど落ち着いてプレーし、湘南が10人で耐え抜いて試合はそのままタイムアップ。神戸にとっては初優勝、湘南にとってはJ1残留と重要なミッションに向けた大一番はドローに終わった。
(取材・文 竹内達也)
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2023-10-28 06:59:00Z
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