日本プロ野球選手会は28日、中日の加藤宏幸球団代表の言動に関し、抗議文を出したことを発表した。
同会は26日から始まった中日の契約更改交渉において、「所属選手に対する査定方法の事前説明が二転三転したり、不十分な点があった」と指摘。さらに加藤代表が「メディアに対して、一方的に所属選手が年俸金額で揉めているかの印象を与える発言をするなど、選手と球団の信頼関係を維持できない状況が発生している」とした。その上で「球団代表の言動に強く抗議し、所属選手に対する十分な説明、誠実な協議を求める申し入れを行いました」と明かした。
中日の契約更改をめぐっては初日の26日に木下拓が増額提示を受けたが、約2時間30分の交渉の末、サインを保留。会見では保留理由を「僕が88試合に出たのもAクラスに入ったのも初めて。初めてのことが重なったので、金額がどうでなく、もう少し時間をください」と説明していた。一方、加藤代表は長時間交渉の理由を「金額です」とした上で「今年については査定を基に出した金額をこれっぽっちも譲るつもりはない」と話した。
さらに翌27日の契約更改ではともに増額提示を受けた福谷、福がサインを保留。両者とも「他球団の契約更改の結果も知りたい」と理由を語っている。ただ、加藤代表は「他球団は他球団。ドラゴンズはドラゴンズ。変更するとドラゴンズの査定が間違っていたことになる」とし、他球団の交渉結果にかかわらず、提示した金額を変更しないことを表明。その上で、例年は交渉の席で選手側との話し合いで提示金額から数百万円程度の上積み、いわゆる「情状」を行っていたが、今年はコロナ禍により球団経営が厳しいことから「情状はしない」としている。
プロ野球選手会は今オフの契約更改について「例年とは前提となる試合数が異なるため、契約更改に関する球団から選手への十分な事前説明がより重要になる」としており、選手側には納得がいくまで話し合いを続けるよう促している。
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2020-11-28 11:56:00Z
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