ヤクルト館山昌平投手(38)が、今季限りでの現役引退を決意したことが8日、分かった。

球威と制球力を両立させたサイドハンドとして、長く先発の軸として君臨。たび重なるケガを乗り越えてプロ17年目を迎えたが、今季は登板は6月の1試合にとどまっていた。9日にも球団から正式に発表される見込みだ。

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また1人、松坂世代の投手が現役を退くことになった。ヤクルトの先発ローテーションを守り続けてきた館山が、球団や関係者に現役引退の意向を伝えていることが、明らかになった。

度重なる肩や肘のケガを受け止め、手術とリハビリを何度も乗り越えてきた不屈の男。しかし最近3年間は、勝利から遠ざかっていた。今季はイースタン・リーグで19試合に登板して4勝5敗。8日もイースタン・リーグ楽天戦(石巻)に先発。4回2/3を被安打8の6奪三振、4失点で降板していた。

1軍での先発ローテーション入りを今季の目標に掲げ、6月12日楽天戦(楽天生命パーク)に登板。3回を被安打5の3失点(自責2)で敗戦投手になっていた。この試合で3三振を奪い、通算998奪三振。節目の1000奪三振まで残り2個に迫りながら、ユニホームを脱ぐ決断をした。

日大藤沢で甲子園に出場し、日大からドラフト3位で03年に入団した。多彩な変化球を操りながら、本格派の変則右腕として活躍した。09年には16勝を挙げ、最多勝に輝いた。一方で、度重なるケガに苦しんだ。17年間で10回以上も体にメスを入れ、3度のトミー・ジョン手術も受けた。100針以上を縫いながら、コーチ陣も驚くほど医学やリハビリについて勉強。壁を乗り越えるたびに強くなって、マウンドに戻ってきた。

16年4月には、右肘関節の遊離体摘出とクリーニングの手術を受けた。戦列に復帰し、同年7月22日の中日戦(ナゴヤドーム)で1019日ぶりの白星をマーク。この勝利が、現役最後となった。

◆館山昌平(たてやま・しょうへい)1981年(昭56)3月17日、神奈川県厚木市生まれ。日大藤沢-日大を経て02年ドラフト3巡目でヤクルト入団。08年最高勝率、09年最多勝。08~12年まで5年連続で2桁勝利。13年にトミー・ジョン手術を受け、14年は登板なし。15年は6勝を挙げてリーグ優勝に貢献し、カムバック賞。今季推定年俸2400万円。181センチ、98キロ。右投げ右打ち。