日本相撲協会から自主引退を促された西十両5枚目貴ノ富士(22=千賀ノ浦)が27日、東京・千代田区の文部科学省で会見を行った。テレビカメラ13台、60人を超える報道陣が集まる中、貴ノ富士は「深く反省している。しかし今回の処分はあまりにも重く、受け入れられません。本件の愚かな行為を反省し、土俵に戻って相撲道に精進したい」と、寛大な処分を求めた。貴ノ富士は8月31日に付け人の序二段力士に暴力を振るっただけでなく、5~7月にかけて若い衆に差別的発言を繰り返していた。前日26日の理事会後に協会から自主引退を促されていた。

会見に臨む直前の12時53分、会見場に姿を現した貴ノ富士は、立ったまま数秒間頭を下げた。弁護士同席のもと、冒頭で貴ノ富士は「機会が許されれば弟弟子の実家に謝罪したい。暴力だけでなく、差別的な発言でも不快な思いをさせてしまった。申し訳ないと思っている」と、弟弟子に謝罪。「自覚が足りなかった。ゲンコツなら…という甘い考えがいた」と続けた。

また「ニワトリ」「はいではなくコケと言え」といった差別的発言をしたことを問われると「はい」と認めた。「言い過ぎた。考えて言ってあげられることがあった」。さらに自身の指導について「中卒で何も分からない中で、生半可な優しさじゃダメだと思ってた。そういうふうに育ててきてもらった。そういう気持ちを持ってもらいたいと指導してきた」と話した。