●日本代表にとっては久々の公式戦 ――25日の韓国代表戦から、日本代表は2人を変更しました。左サイドバックにはFC東京の小川諒也が入り、右サイドバックには横浜F・マリノスの松原健が起用されています。 「今日はフクアリ(フクダ電子アリーナ)から取材しています。小川は韓国戦でもいいパフォーマンスを見せたので、今日も期待したいです。松原は足下がうまいし、攻撃にも参加できるタイプなので、今夜は貢献できそうだね」 ――2019年10月の前回対戦では6-0で勝利しています。 「モンゴルは今回も移動があったので、日本代表にとってはそこまで難しくないと思う。このような試合は細かいところを磨く機会になるので、それぞれの連係に注目かな。センターバック間や、大迫勇也と2列目の選手の距離感など。遠藤航と守田英正のコンビもですね」 ――日本代表にとっては久々の公式戦になります。 「16か月かな。(ブランクは)長いですが、その間も選手はそれぞれのクラブで試合に出ているので、コンディションやゲーム感覚は問題ないと思います」 ――引いた相手からどのように得点を奪うかがポイントになりそうです。 「そうですね。(サイドバックの)松原と小川は高い位置を取って、サイドチェンジもしています。そろそろ先制点がきそうだね。モンゴルは引いて守っているけど、必ず疲れてくるので突破するチャンスが来る」 ●「攻撃対守備の練習みたいだった」 ――南野拓実のゴールで先制です。ワールドカップ予選ではこれが5試合連続得点となりました。 「凄いですね! 韓国戦では(チャンスを)活かせなかったので、本人もほっとしてますね」 ――2点目は大迫でした。吉田麻也の縦パスを南野がスルーして、大迫が決めました。 「ナイスフィニッシュだったね! あら? もう3点目が入った。南野、大迫、鎌田大地、次は伊東純也がくるかな?」 ――4点目も入りました。守田に代表初得点が生まれました。 「モンゴルの選手はもう終わってほしいだろうね。差がありすぎる…。このままだと2ケタ得点になる可能性が…。モンゴルは移動を含めてハードスケジュールだからかわいそうだね」 ――日本代表は前半だけで5得点を決めました。 「なんて言えばいいかな。差があり過ぎて、攻撃対守備の練習みたいだった」 ――これだけ力の差があると、この予選フォーマットに疑問を抱かざるを得ません。 「下のチームにとってどの方法がいいのかは、今、欧州でも話題になっていますね。いろいろなことを考えないといけないので、本当に難しい話だと思います」 ――この試合についてはどう思いますか? 「モンゴルの選手にとっては、どれだけ差があるかを確認できると思う。けど、差がありすぎて、成長につながるかどうかは正直分かりません」 ●「鎌田の存在もどんどん大きくなっているね」 ――調べたところ、日本代表のワールドカップ予選の最多得点は、1997年3月と6月に行われたマカオ代表との2試合で記録した10得点のようです。三浦知良が1試合で6得点を決めています。 「今日はそれを超えられるかな。三浦カズ……。24年前だけど、その名前聞いたことがあります(笑)」 ――後半に入りました。 「守田に代わり浅野拓磨が入りました。攻撃的なチェンジだね」 ――大迫が2点目を決めました。 「鎌田のアシストもナイスでしたね! 鎌田の存在もどんどん大きくなっているね」 ――小川のクロスに走りこんだのは松原。惜しくもゴールにはなりませんでした。 「マンチェスター・シティみたいですね! カンセロ川か? ごめん。寒いですね」 ――64分に稲垣祥と中谷進之介が入ります。 「稲垣のスーパーゴール来るかな?」 ――稲垣が決めました! 「入ったー。古橋も浅野も取りたいだろうね。私も取りたいです! 本当に記録になる可能性がありますね」 ――ショーンさんは無理です(笑)。 ●「勝った試合でも少しつまらなかった」 ――その後も日本代表は得点を重ね、14-0で勝利しました。この試合の収穫はあるのでしょうか……。 「なんだろうね。収穫があるかどうかは言いにくいです。複数得点するのはもちろんいいことですが、このような相手に対して『収穫』というのは少し難しいかもしれません」 「モンゴルの選手はどんどんモチベーションがなくなってしまい、日本代表もみんな点を取っただけという形になりました。私の子どもの頃を少し思い出した」 ――そういう経験がありましたか? 「あったよ。勝った試合も負けた試合も。負けた試合はもちろん苦しかったが、勝った試合でも少しつまらなかった」 ――今日の日本代表がそうかもしれないですね。 「そう思います」 ――どちらのチームにとっても、今日の試合が今後につながるといいですね。 「そうだね。特にモンゴルは切り替えたい。今日は本当に不思議な試合だった。サポーターがいなくて残念でしたが、間違いなく歴史的な試合だった。」 ――今回は4試合、ありがとうございました。 ▽語り手:ショーン・キャロル 1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。 【了】
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2021-03-31 14:56:11Z
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