試合終了のホイッスルが吹かれる。市立船橋高(千葉)の選手としての時間が、終わりを迎えた瞬間だった。キャプテンマークを巻くDF石田侑資(3年)は、あふれ出る涙を抑えることができなかった。
立ち上がりから帝京長岡にリズムをつかまれた。素早いパスワークに後手に回ってしまう。「止めて蹴るの部分」で違いを感じた帝京長岡の「ボールに関わり続けて、ドンドン前にという勢いや速さにのまれてしまった」。前半26分に先制点を献上すると、同30分には追加点を奪われて劣勢に立たされる。
しかし、決して下を向くことはない。石田を中心とした守備陣は激しく寄せて帝京長岡の攻撃を封じようと、高い集中力を保ち続ける。後半に持ち直した攻撃陣はゴールを脅かす場面を生み出し、後半アディショナルタイムにはFW松本海槻(3年)の得点で1点差に詰め寄った。しかし、反撃もここまで。1-2で敗れたチームは、準々決勝で姿を消すことになった。
試合後、ZOOMの取材エリアに現れた石田は「言葉にうまくできないけど、今の気持ちとして、もっとイチフナで、このチームでしたかったのが一番の思いです」と語り、目を潤ませた。
「厳しくて苦しい時期もあったけど、イチフナで良かったと思えたのは仲間のおかげ。今年はチーム思い、仲間思いの選手が多くて、本当に楽しかったし、このチームで長く戦いたかった。キャプテンとして、もっと仲間を良いコンディションに、良いメンタルに持っていけたんじゃないかと思うと、そこに関しては悔いが残ります」
石田たち3年生の高校サッカーは終わりを迎える。しかし、後輩たちの高校サッカーは、まだまだ続く。「この悔しい思いを忘れず、辛いときでも仲間と切磋琢磨して、仲間と信じ合ってプレーしてほしい。イチフナは勝たなければいけないチーム。この悔しさを糧に日本一を取ってほしい」と市立船橋の伝統を背負っていく1、2年生にメッセージを残した。
(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2020
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2021-01-05 10:19:00Z
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