横綱白鵬(34=宮城野)が、史上最多を更新する43度目の優勝を果たした。

関脇御嶽海(26=出羽海)を外掛けで下し13勝1敗とし、新元号「令和」として、そして9月に日本国籍を取得後初めての優勝を決めた。34歳8カ月は、年6場所制となった58年以降では4位の年長記録となった。

取組後のインタビューでは「3月の筋断裂、9月の右手小指骨折などケガを乗り越えてなのでうれしいです」と話した。上位陣が続々と休場。「引っ張っていく(立場)。ずっしり重いものもありました」と一人横綱の重圧とも戦った。「考えて考えて考え抜いた相撲だった」と14日の取組を振り返った。

順調な滑り出しではなかった。2日目に平幕の大栄翔に初黒星を許し、途中休場した9月の秋場所と同様、序盤で早くもつまずいた。しかしそこから修正。伸び盛りの小結朝乃山には右で張って左を差す、相手の持ち味を封じる技術で連敗を防いだ。14日目まで12連勝と完全に立ち直り、上位陣が相次いで休場した1年納めの場所を引き締めた。

今年5場所で皆勤したのはわずか2場所。優勝した春場所の千秋楽では右上腕を筋断裂し、「令和」初の場所となった夏場所は出場を断念した。9月の秋場所でも初日に右手小指を骨折。度重なるけがを乗り越えて抱く賜杯となった。

現役続行の目安としている20年東京オリンピック(五輪)まで1年を切っている。数々の史上最多を更新し続ける大横綱にとって、記録は一つのモチベーション。元横綱千代の富士が持つ、35歳5カ月での優勝も視野に入れる。平成から令和へ-。新時代で、白鵬が角界を引っ張る。