Rabu, 17 Februari 2021

「聖子新会長」は既定路線だった…因縁の小池都知事に“してやったり”官邸介入 - スポニチアネックス Sponichi Annex

組織委会長巡る相関図
Photo By スポニチ

 東京五輪組織委の森喜朗会長(83)が10日夜に辞意を固めてから1週間。日本中が注目した後継選出問題は土壇場でさまざまな候補の名前が挙がったが、当初から菅首相の強い意向で一本化されていた橋本聖子五輪相(56)で決着する方向となった。官邸、東京都、組織委、それぞれの思惑が絡む中、“聖子一択”となった舞台裏を追った。

 「結局、聖子かよ」。橋本氏固辞の情報から、小池百合子都知事の意向で組織委の小谷実可子スポーツディレクターを推していた都庁関係者は、こう吐き捨てた。

 実際、スポニチ本紙の取材でも、大臣を辞めて議員辞職も覚悟しなければならない懐事情と過去のセクハラ騒動が蒸し返されることから、橋本氏は「正式要請があっても断りたい」と周囲に明かしていた。それでも、菅首相に近い与党関係者は一貫して「カネと議員復帰の問題は“保証の約束”で解決できる。セクハラ騒動も、そもそも被害を訴えているわけではない。それに検討委で選ばれたのに、五輪相の立場で断れるわけがない」とブレていなかった。この1週間、舞台裏で何があったのか――。

 菅首相による“政治介入”は、後継に元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏が森氏側から担がれた直後に起きていた。引責辞任した人が後継を決める“密室の手続き”を問題視したものだが、理由はこれだけではない。

 「たとえ国のトップでも、自身の考えと合わなければ耳を貸さない川淵氏の独裁的ともいわれる強烈なリーダーシップと、水面下の裏交渉の中身までマスコミに話しちゃう“透明すぎる言動”を総理は最も恐れた」(与党関係者)という。意向をくんだ組織委の武藤敏郎事務総長が“川淵降ろし”に、副会長の遠藤利明元五輪相が“聖子推し”に動いた。

 だが、官邸による“政治介入”の批判はすぐに噴出。そこからはダンマリを決め込み、橋本氏も一貫して要請固辞の姿勢を示した。

 一方で動きだしたのが、4者会談の欠席で森氏にトドメを刺した小池都知事。橋本氏固辞と分かるや否や、自身と犬猿の仲の森氏と不仲だったJOC竹田恒和元会長にかわいがられた小谷氏を推す動きを見せた。

 小池氏にとって橋本氏は東京五輪のマラソン札幌移転問題で煮え湯を飲まされた因縁の相手。小池氏に何度もしてやられている菅首相にとって、橋本新会長は“百合子対策”に打ってつけの一手。「最終的に橋本氏が固辞しても、小池氏が推す小谷氏だけにはその席を渡すわけにはいかなかった」(組織委関係者)という。

 そこで「腹案として浮上した」(与党関係者)のが、JOCの山下泰裕会長。検討委が始まる土壇場で組織委内部から発信されたが「これも“聖子隠し”の隠れみのとなった。内閣人事局で力を強めた総理にとって、人事だけは誰にも負けられない。でも、こんなところで本領発揮されても…」(都庁関係者)との声は、国民の誰もが思うところ。何のための検討委だったのか。詳細な選考過程の中身が求められそうだ。

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