巨人の原辰徳監督(62)が将来的な「キャンプ招待選手制度」の導入を提案した。巨人から米メジャーに挑戦してブルージェイズから自由契約となった山口俊投手が、ジャイアンツとマイナー契約を結んで招待選手としてメジャーキャンプに参加している。原監督は「多くの野球選手にチャンスがまた生まれるということになる。日本にもあっていいかなと思った」と現場の声として見解を示した。

12球団合同トライアウトをさらに有効活用させることにもつながる可能性がある。11月下旬から12月に実施されるトライアウトは1日だけ。自球団の補強も進行中なことが多く財政面や選手枠の問題から、トライアウト選手の合格ラインは厳しくなる。「あの時点では契約は難しいがキャンプで招待選手という形で来て是非を問う。練習場は招待を受けた人は使っていいよと。我々もゆっくり見られる。選手にもチャンスがある」との私案を披露した。

日本にもテスト生としてキャンプに参加するケースはあるが、形式的なことも多い。メジャーの招待選手は人数も多くオープン戦にも出場しており、日本でも適用されれば、より開幕に近い実戦でも見極めができる。「日本の場合、テストをするという感じでやるけど、招待選手は長い目でみられるからね。野球界の発展のためです」と、未来を見据えた議論を期待した。【浜本卓也】

◆大リーグのキャンプ招待制度 メジャー出場の前提となる40人枠外の選手をメジャーキャンプに参加させ、実力を見極める制度。招待選手は開幕ロースター入りを争う。40人枠から漏れたマイナー選手や、マイナー契約を結んだベテラン選手が中心。今季の日本選手ではジャイアンツ山口とパドレス加藤が招待選手としてキャンプに参加。過去には05年デビルレイズ野茂、08年ジャイアンツ藪が開幕メジャーを勝ち取っている。