清水エスパルスが鮮やかな逆転勝ちで、6年ぶりの開幕戦白星をつかんだ。アウェーで鹿島アントラーズに3-1。後半33分に新加入のFWチアゴ・サンタナ(28)のJリーグ初得点で同点に追い付くと、5分後にFW後藤優介(27)が決勝ゴールを沈めた。リーグ鹿島戦で10試合ぶりの勝利を収め、最高の形で今季のスタートを切った。

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今年の清水はひと味違う。先制されるともろさを見せた昨季と異なり、勝負どころで流れを引き寄せ、ロティーナ新監督(63)の初陣で逆転勝ちを収めた。先発11人中7人が新加入。新生エスパルスにとって絶好の船出となった。

後半30分に先制を許すも、同33分にFWチアゴ・サンタナが同点ゴール。左クロスのこぼれ球に素早く反応して左足で流し込んだ。「少しタイミングを外して(相手DFの)足が開いた所を狙った」。来日初得点を挙げ「世界から注目されるリーグでプレーできてうれしい。得点も決められて幸せ」と実感を込めた。

ロティーナ監督は「すぐに追いつけたのが大きかった。相手はショックだったと思う」と振り返った。息を吹き返したチームの勢いは、さらに加速した。同38分、FWカルリーニョス・ジュニオ(26)の左クロスに後藤が頭から飛び込み、勝ち越し点を奪った。「カルを信じて中に飛び込んだ」。昨季1得点と苦しんだ点取り屋が、早速結果を残した。それでも「これを続けていかないと」と、気を引き締めた。

同43分には、CKから相手のオウンゴールを誘って決定的な3点目を奪った。昨季1度しかなかった逆転勝ちを今季初戦で披露。さらに難敵の鹿島から、2015年の開幕戦(3○1)以来、6年ぶりのリーグ戦勝利をもぎ取った。

昨季リーグ最多70失点の守備も、この日は最少失点。指揮官も「良い守備ができていた」とうなずいた。攻守がかみ合った一戦で、清水の今シーズンが幕を開けた。