モンゴリアンチョップを取り戻したい…。天山広吉(49)が、得意技を失ってから初めて新日本のリングに上がった。

棚橋、辻と組んで6人タッグに登場。相手には1月30日の封印マッチで敗れたO・カーンがいた。試合中に両手を振り上げるも、途中で頭突きに変更。久しぶりの試合で体調万全ながら、攻撃の流れをつかめず、力を発揮できなかった。「もうここまで出てきてるけど、出せない。我慢するしかない」と悔しさをにじませた。逆に相手3人に連続でモンゴリアンチョップを食らう屈辱を味わった。見かねた棚橋がO・カーンに見舞い、一矢報いたが、天山のイライラは解消されなかった。

今月4日に「ジャイアント馬場23回忌追善興行」でリングに上がった時も出さなかった。代名詞を奪われてわずか5日、最愛の父が亡くなるというどん底の中「男だったら約束は守らないといけない」と思いとどまった。この日も最後まで我慢したが、試合後には「このままモンゴリアンなしではやっていけないよ~」と弱音を吐露。O・カーンからは「モンゴリアンがなくなっただけで、これだけ惨めな姿になるとは」と罵倒された。

それでも棚橋から「O・カーンから取り戻しましょう」と励まされ奮起。「毎日のようにやってきた技ができないなんて考えられない。ぶちのめしてやりたい」。先月デビュー30周年を迎えた天山。このまま引き下がるわけにはいかない。【松熊洋介】